強くなるためのカタンマガジン#1「だてあずみ。によるカタン初期配置解説。第0回目」無料記事
【◾️読み飛ばしてもいい前置き】
コロナの影響でうちのお店(ボードゲームカフェ 「アソビCafe」)の売り上げが落ちました(小声)
普段は家で大体ニートのだても流石に店のピンチ、しいては会社のピンチとなってはなんとかするしかありません。FF7の体験版プレイして感動して泣いてる場合ではない。
と言っても謎解きの案件がほいほいくるわけでもないし、なんか出来ることあるかな?と思った時にある記事を思い出しました。それがこちら。
超名作ボードゲーム「カタン」に勝つための秘訣を達人を聞いてきた
最近アソビCafeで開催しているカタンイベントの参加者さんや、他のカタンのイベントなどでも
「あの記事読みました!」
「あの記事読んでからカタンやりはじめました!」
と声をすごくかけていただけるようになりました。ありがてえ。
元々は友人のジェリージェリーカフェのオーナー白坂さんから
「カタンの記事書きたいんすよ〜」
との連絡を受けて軽率に承諾して取材を受けて・監修したのですがそのビュー数はなんと「約25万PV」!!(2020年3月2日時点)「カタンを勝つための秘訣」というあまりにもマニアックな内容にこれだけ多くの人が興味を持ってくれるなんて
すごい世の中になったもんだぜ…。
イベントでもよく初期配置のダメ出しやアドバイスを希望されるのでならばだてなりに初期配置を解説する記事を書けばいいのでは?と思い、noteをはじめることにしました
今回初回の記事を書いたところ、まさかの6000文字越え。こんなマニアックな記事一体誰が読むんや?と震えが止まらないのですが、今回はお試しで全文無料公開します。それ以降は最新記事1週間は無料、それ以降のアーカイブは有料となります。たくさん読んでもらって、お店の売り上げの足しにするんや!
記事を読んでもらった後に「くーカタンしたい!」「カタンやろうぜ!!」と思ってもらえたら嬉しいです。
【お詫び】
全ての画像で麦港が抜けておりました。
正しくはこちらです。
【◾️今回の盤面】
今回はツイッターでぷやそ。さんから貰った盤面です。
こちらの写真を画像データにしたものがこちら。
お好きな方はまず自分で初期配置を試してみてください。このままスクロールすると最初にだてが初期配置したものの画像が貼られています。
【◾️だてによる初期配置】
だてが配置した初期配置はこちら。
ここからはこの初期配置になった理由を書いていきます。
【◾️島の特徴を見る】
まず、この島についてどんな特徴があるかをみていきます。1番気になるのは麦の薄さ(出にくさ)です。数字が6.3.3.12と期待値最大の6はあるものの3.12と期待値はかなり低く、更に3が被っていることからより出にくい状態となります。できれば序盤の人は抑えたい素材です。
それ以外の素材に関しては比較的バランスも悪くなく、やりやすいと言えるんじゃないでしょうか。では早速ですが、配置をしていきます。
【◾️1番手1軒目】
1番手の1軒目はほとんどの人がここに置く、といいそうです。他の候補としてはなどがありそうですが、今回は何よりも麦を重視すべきと考えますのでここに置きたいところです。
道ですが、ABのどちらかの選択です。
それぞれのメリットは以下の通り
<A>
・木港が使える
・麦12が増える
<B>
・土10が増える
対してデメリットはどうでしょうか。
デメリットは、だての場合はリスクがあるかどうかではかります。Aの方にはぶっ込み(2つの土地にしか触れられないところに置くこと)のリスクはほぼないと言えます。理由は以下の通りです。
・シンプルに他に3面取れるいいところがほぼ確実に残る
・Aと比較した時にBの方が数値が美味しいので、Bの方が入られやすい
更に言えば、もしAは誰かにぶっ込まれたとしても
そもそも自分の土地自体が価値が高い(数字も組み合わせも良い)のでもし自分が取れなくてもあまり痛くないことも大きいです。
さて、ここまでAはリスクが低く、Bはリスクが少しあるという話をしてきましたが、だてはBに置きますwwwwwwwその理由は
・取れなくても痛くはない
・でももし取れた時に価値が高い
この2点につきます。
更に1番手は2軒目を最後に置くことができるので戦略を自分で調整することができます。また、自分がもしこの10土を触れると資源の4つをまあまあ数字で取ることができるので戦略の幅が広がる&2軒目の建てる場所の自由度が上がります。この価値が高いと思うのでだてはBです。
1番手の1軒目の建て先だけでまぁまぁな文量だけど大丈夫ですか?ついていけてますか?(不安
実はカタンの初期配置は1軒目の方が大事なことが多いので、どうしても説明が長くなりますね。返しは軽めのはずです(多分
【◾️2番手1軒目】
先に言っておきますが、この2番手は難しいです。
ざっくりとした選択肢は以下の通り。
・今しか取れない麦6に触れる(A)(C)
・今しか取れない麦6に触りつつ、自分と1番手の2人だけで独占する(B)
・麦6は諦めて他のいいところを取る(D)
どれもありそうにみえます。ではここからどれを選択するかは
「どんな戦略を描けそうか」
「その戦略に合う資源は2軒目で手に入りそうか」
ここを基準にみていきます。
<(A)(B)の場合>
麦6、麦3、鉄11とかなり「都市・カード」に向いた配置だが数字が弱い。組み合わせとしてはいい鉄・羊が一緒に手に入るといい感じだけど今回の島では難しそう。じゃあ鉄だけでも!とぶっ込みを行えば鉄は手に入りそうだけど結局カードが引けなくて苦しくなるイメージ。
<(C)の場合>
麦6、麦12、羊11とかなり「都市・カード」に向いた配置だが数字が弱い。だが道を鉄9に向けて取れた時はかなり強い。
<(D)の場合>
ネックの麦を解消するために他の資材を3:1で交換するのはほぼ必須。様々な戦略を組み立てやすい。
以上の比較ですが、どうやら(A)(B)は苦しい様子。ここの選択はカタンをはじめたばかりは是非(D)を選択してください。
その理由は、
・戦略が縛られにくく、2軒目の自由度が高い
・3:1は偉大
・いっぱい資源が出たほうがカタン楽しい
以上の3つです。3つ目は結構大事。
それでも(D)以外がいい!という方は、他の3つの中でのオススメは(C)です。ただし、
・交渉はほぼ必須なので(鉄9は絶対欲しいの)交換時に麦とレートをうまく調整する必要がある
・誰かに鉄9麦12に入られたら結構キツイ
ということは覚えておきましょう。
では(D)の場合にどこを選ぶのかですが、ここです。
いい場所だな〜3:1も取れそうだし。ここ以外にも選択肢はありそうですが、初期配置においてネックは少ない方がいいです。資材自体のバランスも数字もいいここを選びましょう。ノータイムでここを選べぶ人をみると
「(おっカタンやってんな?)」
とだては心の中で思ってます。たまに声に出てます。
ちなみに各場所に置いた時のだて感想
(A)「分かるー!ただ結構な確率で5点で死ぬぞ☆」
(B)「はー賢い。でも自分が弱いから結果1番手が強くなっちゃうんだよなぁ」
(C)「ぐぬぬ好みだな。でも2番手がやるとリスキーだけど大丈夫かな?」
(D)「おっカタンやってんな?」
【◾️3番手1軒目、4番手1軒目、4番手2軒目、3番手2軒目】
カタンの初期配置で何番手が一番難しい?と聞かれたらだては3番手、と必ず答えます。それは3番手が一番情報が多いからです。
・1番手2番手が置いた場所
・1番手2番手が欲しそうな場所
・4番手が置きそうな場所
ざっくりあげてもこれだけあります。大変だ〜。
こんなこと考えていたら頭がパンクしてしまうので3番手のコツを1つだけ伝授します。「迷ったら今しか取れないものを取れ」です。盤面を見てみましょう。
今回の選択肢は
(A)ダイス目の強さを強くみる
(B)鉄がらみで3面取れる
(C)麦6に触れて鉄にも触れられそう
の3つとします。一つずつ特徴をみていきます。
<(A)の場合>
土6、土4、木9と数字はかなり強い。「道・家」戦略向き。組み合わせ土と木で組み合わせのバランスも良いが、都市化には少し苦労しそう。ここからは3:1港にはアクセスできなさそうなので、2軒目では欲しい。
<(B)の場合>
鉄8、土4、麦3と鉄が強い。バランスを取るためにはいい麦と羊が欲しいし、木も欲しい。もしそれが手に入らないなら3:1が欲しい。
<(C)の場合>
麦6、麦12、羊11とかなり「都市・カード」に向いた配置だが数字が弱い。だが道を鉄9に向けて取れた時はかなり強い。
以上からの比較です。
ここで、最初に説明したこれが出てきます。「迷ったら今しか取れないものを取れ」です。では、今しか取れないものとはなんでしょうか?
それは「出やすい麦(麦6)」もしくは「出やすい鉄」です。つまり今回は(B)(C)のどちらかを選びますが、どっちがいいでしょう?ここで重要なのは、(B)(C)に置いた時に4番手はどこに置くか?
ということです。実際に置いて見ましょう。
<3番手1軒目パターン(B)>
4番手は強い鉄と麦が欲しいので麦6、麦12、羊11から鉄9に向けます。ここの鉄9、麦12にぶっこまれるリスクですがほぼありません。理由は自分以外のプレイヤーは全員鉄を持っているからですね。また、鉄を強化してより強くなるプレイヤーも存在しないので鉄9、麦12は100%獲得できると言えます。
では4番手の2軒目はどこに置くかというと、麦6、麦12、羊11、鉄9が手に入った前提で進めますので、強い羊が欲しいです。羊8周りに置くのですが、自分の戦略でカードしか引かないよ!という人は羊8、羊10、麦3でもOKです。ただし自力での建設はほぼ無理なので少し時間はかかりますし、他のプレイヤーに頼らなければならないので向こうの出方次第になります。
だてのオススメは羊8、木4、麦3です。3:1も取り行けますし、木があるのでネックが少ないです。3番手が(B)に置いた場合、4番手はこうなりました。
すると、3番手2軒目はどこにくるでしょうか。これはかなり悩みます…。
麦6を取る(D)?
木土のバランスをよくして道王もみつつ、3:1も取れる(E)?
一応全資材を獲得しつつ数字もいい(F)?
あぁ悩ましい…。ちなみにこの中だとだては(E)を選びそうです。
<3番手1軒目パターン(C)>
(C)の場合の4番手はこうなりそうです。
さっきのパターンと逆ですね。カタンの初期配置は、1カ所を決めると必然的に1カ所が決まるので大体こんな感じになります。
ここでわかることは、4番手と比べて3番手はどちらかを選ぶことができるということです。4番手がどこに置くかがある程度予想できるようになる必要がありますが、これはカタンをたくさんやってれば分かるようになるよ!多分!
ではその上で3番手はどっちを選べばいいかですが…これはもう細かいこと抜きにしちゃえば好きな方でいいです。すごい細かいことは言えちゃうんですが、いいんです。カタンは自由だ!やりたいことをやっちゃいましょ!
【◾️2番手2軒目】
今回は仮に3番手が(C)だとしてみます。4番手1、2軒目と3番手の2軒目もおいたものがこちら。
やっときました2番手の2軒目です。
候補は2箇所。
(A)麦をなし、数字がかぶり目だが出た時に大きい
(B)麦6が取れるが羊なし
この比較も悩ましいですね。ここでの比較に、2番手で是非やって欲しいのが1番手はどこに置くかを考える、です。1番手は欲しいのは羊と土です。
<2番手2軒目(A)の場合>
もし2番手の2軒目が(A)に置くと、1番手の2軒目はこうおきます。すると、今は羊は手に入りませんが最初に入った初期資源「木、土、鉄」で羊10、鉄11、麦3に建てるための道を建設することが可能です。ここの邪魔をすることは難しく、ほぼ確実に1番手のものになるでしょう。
<2番手2軒目(B)の場合>
2番手の2軒目を(B)にすると、1番手には選択肢が存在します。
(C)1軒目のところで土は取れるとして、確実に羊を手に入れる
(D)初期資源で道セット(木・土)を手に入れて木5木9羊10を取りに行く
(E)初期資源で道セット(木・土)を手に入れて木9鉄11羊10を取りに行く
ちなみにこの3つだと一番いいのは(D)です。(C)は安全ではありますが、少し弱気な選択です(E)はリスクがあって、2番手と木9鉄11羊10を争うことになります。その点、(D)に置けば初手で道を引いて置けば2番手は邪魔ができません。
あれこれ言ってきましたが、以上のことから分かることは今回はどっちにおいても1番手にあまり影響はないってことです。
じゃあなんで比較したの?と思うかもしれませんが1番手の置き方を踏まえればより強い場所を取れる場合があるからです。今回はそのパターンはなさそうなので、単純強くなるところを選びます。
では改めて、
(A)麦をなし、数字がかぶり目だが出た時に大きい
(B)麦6が取れるが羊なし
どちらがいいでしょう?ここの差は「向いている戦略をより強化する」または「伸び代」で比べます。
<2番手の向いている戦略とは?>
まず大前提として、勝つためには「道王」か「騎士王」はほぼ必須です。これについてはまた別途記事を書くとして、(A)を選んだ時に思うことは「長期戦の道戦略は難しそう」ということです。
1軒目の場所周りでは道は作れないので、(A)周りで作っていくことになります。土地的には砂漠周りで道を作っていけそうに見えますが、オレンジが明らかに道戦略に向いているのでかなりやりづらいです。道王を取った瞬間10点にならない道戦略はかなりの消耗戦になります。
どういうことかというと、こういうことです。
・道王になる→10点→優勝やったぜ!
・道王になる→8点→他の人に取られないように道王を保持しながらあとの2点を取るのがすごい大変、もし道王取られたら6点になっちゃうしうわああん!
こうなりやすいのです。短期戦ならば上になることもありますが、長期戦になればなるほど下のパターンになります。
何故かというと、後半は都市化したり土地が増えて、道を引きやすくなるからです。つまり、8点の状態で道王を取って優勝以外はほぼすべて消耗戦になるのです。僕は嫌だ!!!!(不協和音
話を戻しますと、まあ大体カードやるか盤面10点目指すみたいになるわけです。運が良ければ道王とる、みたいな。では先ほどの盤面に戻ります。
別にどっちもカードも向いてないな…。ここでもう一つの比較「伸び代」が登場します。
<2番手の伸び代とは?>
まず伸び代、とはこの先どこに家を建てていけるか、ということです。先ほどの1番手2軒目の置き方を想定した盤面をみます。
(A)
(A)の伸び代はこれです。
全部が取れるわけではないですが、これを伸び代とみます。次のパターンです。
(B)
(B)の伸び代はこれです。
(B)に関しては補足があるのですが(例えば木4羊11とかも取れるとか、1軒目とBを繋いだ時の道王はかなり固そうとか)ダイス目によって大きく左右されるので今回はこれを伸び代とします。ちなみにこの羊港が取れるかはかなり未確定です。
以上の(A)(B)を見比べて、いい方を選ぶわけです。
こう比べるとだては(A)を選びそうです。(B)も悪くないのですが、なにせやることが多いので疲れます。迷ったらシンプルな方を選ぶようにしてます。
【◾️1番手2軒目】
以上の流れからここになります。
【◾️まとめ】
お疲れ様でした!
カタンの初期配置は繰り返しやることが大事です。私も一時期は1日1時間くらいカタンのアプリで初期配置だけをずっとやり続けていましたw
やっていくうちに「島の特徴」「重要視すべき資材」「相手の思考」「取るべき戦略」「向いている戦略」などが分かるようになって来ます。
分かれば分かるほどカタンは楽しくなります。
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みんな、カタンしようぜ!