66歳の春、バンドが終わって人生を思う
あれからもう4か月にもなるんだなあ。。。
桜の季節も終わり、新緑がまぶしい5月。
この季節、僕は毎年心が躍るような気持ちと、ちょっぴりセンチメンタルな気持ちにさせられる。
なぜなら、この時期は僕にとってバンド活動がもっとも熱くなる季節だったからだ。
50代半ばから10年以上、気づけば4つものバンドを掛け持ちして、ライブに明け暮れる日々を送っていた。
体力自慢とは程遠い自分だが、音楽だけは我ながら頑張って続けてきた。
しかし、そんな僕にも「時の流れ」には逆らえなかったのかもしれない。
2024年5月、信じられないことに、僕が活動していた4つのバンドすべてが、ほぼ同時期に終わりを迎えることになったのだ。
メンバー間の不和、バンドの方向性の違い、個人的な事情・・・ひとつは脱退、あとの3つは解散になった。
理由はそれぞれ違うけれど、まるで示し合わせたかのようなタイミングだった。
もちろん、バンド活動は永遠に続くものではないと分かっていた。
それでも、いざ終わりが来るとなると、心にぽっかりと穴が空いたような、言いようのない寂しさに襲われる。
特に寂しいのは、毎週のように顔を合わせていたバンドメンバーや音楽仲間との別れだ。
スタジオでバカみたいに盛り上がり、熱い議論を交わした日々。
ライブの成功を分かち合い、打ち上げで飲み明かした夜。
あの頃の思い出が、走馬灯のように駆け巡る。
「人生は出会いと別れ」
使い古された言葉だけれど、今の僕には、この言葉が重くのしかかる。
正直なところ、「もう二度と、あんな風に音楽に熱中できないかもしれない」という焦燥感にも駆られる。
ステージのあの高揚感、観客との一体感、あの感覚をもう一度味わいたいと、心のどこかで思っている自分がいる。
それでも、いつまでも感傷に浸っているわけにはいかない。
66歳、まだまだ人生はこれからだ。
これからは、時間にも心にも余裕ができたので、妻と旅行に行ったり、息子夫婦と孫の顔を見に行ったりしたい。
もちろん、音楽も聴きに行くし、また楽器を手にする日がきっと来るはず。
なぜなら、僕には音楽抜きの人生がありえないから。
人生のステージは、まだ終わっていない。
これからも、自分らしく、前向きに生きていきたい。
最後に、今まで一緒に音楽を奏でてくれたバンドメンバー、音楽仲間、そして、僕たちの音楽を愛してくれたすべての人たちに、心から感謝を伝えたい。
ありがとう。そして、またいつかどこかで!