データサイエンスの論文を提出するためにやったこと3つ
前回の記事で、新規事業の失敗と、データ解析受託の成功を書きました。
データ解析の受託ではECの受発注管理システムに溜まったデータを解析することで時給6000円の仕事を受けることができました。
この仕事をきっかけに人工知能学会にて論文を出すことができたので、どういうステップで論文採択に至ったかをご説明します。
<step1>過去の論文からまだ書かれていない新規性のあるテーマを見つける
<step2>企業側へデータを使わせてもらうメリットを提供して、データ提供の承諾をもらう
<step3>論文の作法を理解しながら、粛々と論文を書く
ステップとしてはシンプルです。
論文というのは採択されるまで知らなかったのですが、解析手法は新規性が全くなくとも分析対象に新規性があれば論文にできます。
つまり、乱暴に言ってしまうと、まだ論文になってない分析対象を扱えさえすれば、どんな解析をしても論文を書けてしまうのです。
そして、お仕事を頂いていたECの受発注管理システムの企業さんが、多く扱っていたのがD2Cという分野のECです。いわゆる単品定期通販というジャンルでして、ずっと昔からECというのはあるのですが、1つの商品だけをサブスクで売るというのが、ECの中で新しい分野だったんです。
そのため、普通のECではもう論文もあり、語り尽くされているユーザーの次回購入予測モデルを検証するというテーマも、分析対象を「単品定期通販」にしてしまえば、論文になるのです。
こうして採択された論文はこちらです。
既にデータは把握していたので、データ解析をして、論文にまとめる作業を約1ヶ月半という短期で書き切ることが出来ました。
こうして論文化することで、企業としてはデータ解析に力を入れているとPRすることも出来るし、展示会でデータ解析者との繋がりが出来るかもしれない。
解析者としても、論文を書いたという実績ができる。
こうして、双方win-winの関係が築けるというわけです。