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最近の記事

「投票に行くことが正義」は思考停止と断言できます

衆議院が解散し選挙ムードが高まる中で、選挙のたびにマスコミを中心に喧伝される「投票へ行きましょう」という呼びかけがいかに思考停止なのかを説明したいと思います。そこには感情論も何もありません。合理的に考えれば投票に行く必要はありません。それどころか、投票が正義との思い込みによって、政治体制がますます硬直化する点を指摘したいと思います。 1億分の1は実質的にゼロだからまずは当たり前のことから述べましょう。人口減と言えども1億人がいる日本では1億分の1の影響力しかないを票を投じた

    • 手段の目的化より危険な「目的の手段化」

      「手段の目的化」は人間が陥りがちな悪しき思考回路とされ、先輩や上司からお叱りを受けたビジネスパーソンも多いことでしょう。本記事では、これと同じがそれ以上に「目的の手段化」も不幸を招くという話をしたいと思います。この取り違えは、どちらかというとビジネスよりもプライベートで多く発生し、人生設計に直結するほど大きな失敗を生むこともあります。 手段の目的化「手段の目的化」とは、手段が本来の目的を超えて、目的そのものと見なされるようになる思考パターンです。例えば、新たなテクノロジーが

      • 「出る杭」への誤解と環境の力学

        出る杭の誤解「出る杭は打たれる」という言葉には、日本社会の集団主義や調和を重んじる文化が色濃く映っているとされ、日本の悪い面の典型例とされています。このことわざは、突出した能力を持つ個人が周囲から抑圧されてしまうことで、能力を発揮できない様子を表すとされています。 この点の誤解を解くことが本記事の第一の目的です。すなわち、出る杭に喩えられるのは「周囲と不調話」を生み出す言動のことであって、「能力の高さ」ではありません。そして、この2点に直接の関係はありません。私の20年以上

        • Yahooファイナンスは本当にスクレイピング禁止なのか?

          お断りはじめにですが、一応スクレイピング周りの法律的ルールを調べた上で、自分の見解として書いています。 背景Yahooファイナンスは株式情報がきれいにまとまっていて便利です。私も時々お世話になっています。そういったサイトからは自動で情報を集めたくなるわけですが、「Yahoo!ファイナンス掲載情報の自動取得(スクレイピング)は禁止しています」と書かれています。では本当にスクレイピングを諦めなければならないのでしょうか?引っかかることがあります。 見解というのは、この文言はヘ

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          スペシャリスト不要論

          ITエンジニアのキャリアパスとしてスペシャリストとゼネラリストが用意されている会社は多いと思います。実際私が勤めている会社もそうです。しかし最近、スペシャリストって本当に必要なのか疑問に感じてきたので、考えをまとめてみたい。 ゼネラリストの知識は別に浅くないスペシャリストは狭く深く、ゼネラリストは広く浅くと言いますが、本当でしょうか?我々は暗黙のうちに、知識の広さと深さはトレードオフになると思いがちです。でもよく考えてください。人間の能力は不平等です。できる人はなんでもきま

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          裁量労働制で社員のエンゲージメントが高まる世界

          何かと目の敵にされる裁量労働制ですが、私は裁量労働制でしか働きたくありません。 自分は社会人になって10年、ほとんどの期間を裁量労働制の下で働いてきました。唯一、前職(大企業)において1年間だけ通常勤務の時期がありました。会社の経営悪化によるコストカットの一環で、裁量労働制を一時的に休止したためです。その休止期間の延長が決まったとき、私は迷わず転職を決意しました。つまり、裁量労働制がエンゲージメントになっていました。 裁量労働制を休止するという判断は、「みなし残業代 >

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          エンジニアマネージャーの視点から、見放すべきチームメンバー

          私はエンジニアとして現場を見つつマネージャー的ポジションもやっています。一般論として、マネージャーの責務とは (A)プロジェクトの成功 (B)チームメンバーの成長支援 の2つがあると思います (スポーツの監督と同じですね!試合の指揮を執ることと、選手の成長支援という意味で)。しかし、ITエンジニアは自走式にいくらでも成長できるという点で特殊であり、後者の役目は極論すれば不要です。よって、パフォーマンスが悪いメンバーは即見放す対象になりがちです。そんな見放されるエンジニアの特徴

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          AIで無くなると言われているけど、思ったほど無くならない職業

          近年、様々な職業がAIに取って代わられると言われ、戦々恐々としていらっしゃる人も多いと思います。一応私は、AIや自動化と言ったITビジネスの先端にいる立場なので、現場感覚を含めて見解を述べたいと思います。 無くなる職業を考えるにおいて、軸となる視点は以下だと思います。 ・効率性 ・職務範囲 ・結果に対する責任 ・説明責任 AIに奪われる職業を考察している記事はよく見かけますが、「効率性」の視点でしか語られていない気がします。本稿を書こうと思った理由はまさにそれです。効率

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          大企業からベンチャーへ転職して3年後の振り返り

          大企業からベンチャーに転職して早3年が経ちました。今どき全く珍しい経歴ではないけど、いい機会だから自分の気持ちをまとめておくため、そして転職で悩みこの記事にたどり着いた人のために、経験談として感じたことをまとめておきます。 大企業の研究者だった頃3年前まで、とある大企業で研究職として働いていました。自分で言うのもなんですが、3期連続でボーナスの評価が最高だったこともありましたので、それなりに重宝されていたと思います。仕事が早くて緻密だったからでしょうか、色々な仕事が降ってき

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