【半ば殴り書き】DAFで観た話を 統計学の講師が加勢する
この図は、研修などでも使っているExcelの画面で、統計手法の一つである「回帰分析」を説明するときに使っている教材用データと散布図というグラフです。
販売個数(売上の金額や人数などでもOK)の増減は、他の要因と相関関係があることを利用した販売個数の予測ができる、という説明をしています。
この予測によって、今後のアクションの見立てを立てられるようにしよう、ということです。
数値予測の臨み方や、Excelの操作の説明、出力された結果からどのようにで終わりにしていたものですが、そこから先の一生役立つ考え方が見えてきました。
ここで見えたわたくしの一生のテーマは、
最後の部分で申し上げます。
その考え方3つ
人間の手に負えないことはスパッとあきらめる
腹をくくる(覚悟を持つ)
産業を構成する「組織」は一人だけのものではなく「共有」
わたくしが今ここに書くワケ
わたくしは普段、Excelを使って統計学を教えています。
教える場所は、企業研修、セミナー主催会社による公開セミナー、通信教育講座などがあります。
しかし企業研修の場合、いわゆる非正規雇用をされている方々が受講対象にはなっていないことが多いのです。
派遣会社を通じてお勤めの方も、受講対象にはなっていない場合が多いものです。
公開セミナーを受講したい場合も、拙著を買いたい場合も、すべて自費で何とかしなくてはなりません。
そうした中で、企業や団体などが時間も費用も負担して、研修を実施したり、またセミナーへ出かけても良いとするところは、今後更に減ってゆくと見ています。
つまり「自分で勉強しなさい」と。
副業推奨の流れは、正にこういうことでもあって、一社の勤務だけでは(生活が成り立つような)充分なお金を払わない社会にします、という言外のメッセージでもあると、とらえています(注:こういう社会になってしまうことを望んではいません)。
そこでわたくしは先ごろ、個人向けの講座を発売しました。
数字・データ・情報に振り回されないはじめの一歩 セミナー【オンライン講座】
自分への四半期ごとのフィードバックができるイベント
わたくしは専門学校を卒業した後、会社勤めをしていました。
会社勤めをしていたころは、セミナーやこうしたイベントに参加する発想は、まるでありませんでした。
しかしお勤めのあなたにも、今個人事業主、また会社や団体などの組織を運営・管理をする立場のあなたにも、このイベントを改めてお勧めしたいのです。
「DAF(ドランク・アカデミー・フェス)」
今回で28回目。オフライン、すなわち会場観覧ができる回は、先日2022年6月12日(日)に、東京・王子で行われました。
オンライン(録画)観覧は、2022年7月3日(日)からを予定しているとのこと。
会場の温かい拍手の中、全員出番が終わったあとの、晴れやかで自然な笑顔が揃うエンディングでの、恒例の集合写真が、冒頭に載せた写真。
次回は2022年9月4日(日)@東京都北区王子。29回目。既に観覧受付が始まっています(2022年6月19日現在)。
このイベントは、自分へのフィードバック、ただ流されて過ごすこと毎日を矯正してくれる……とやや寄りかかっても良いのではないかとも思える、ある種の、自分を楽にしてくれる役割もあるのです。
地下2階のライブハウスで行われる、エンタメ感満載のセミナーイベント。
DAFの主な特徴
1トーク1メッセージ
持ち時間は1人10分間(今は10分間を大きく超える登壇者は皆無)
出演者の「想い」と「熱」がもっとも伝わる設備として選ばれたライブハウスで開催
飲食をしながら観覧できる
(「ドランク=Drunk」と銘打ってはいても、アルコールでなくてももちろんOK。むしろ面倒な酔っ払いは歓迎されない)登壇者はPowerPointなどのスライド禁止(小道具はOK)
扮装はただの出オチではない(意味が必ずある)
出場者と観客との間の距離が近い
DAF初回からおいしい唐揚げが出店
様々な特徴を挙げましたが、公開セミナーにも登壇する立場として、こういう見せ方があるのか!と感じるのです。刺激になるのです。
そして刺激を受け続ける必要があるのです。
ツタチャンフェスタでも掲げたもの
わたくしが続けている対談形式のインターネット番組、 伝えるch.(伝えるチャンネル、略:ツタチャン)では、昨年(2021年)まで年1回のリアルイベントを開催していました。
番組に出演してくださったお客様が配信場所だった会場に再び戻ってきて、講演やワークショップ、ブース出店で皆さんをお迎えするイベントとして、2018年からスタートしました(※)。
番組に出演してくださった落語家の真打の方による、落語の観覧体験の機会も設けました。
わたくしの周囲には
ライブ配信をしている方
先生をしている方
なども多くいます。
我々こうした立場で要求されることの1つは、興味をより高いレベルで維持する見せ方をすることです。
それを体現しているプロフェッショナルな姿を目の当たりにできる機会を作り、1人でも多くの方が体験できるなら、という願いも込めていました。
ツタチャンフェスタで実際に過去3回の落語を観覧できた、貴重な延べ十数名の方は、本当にラッキーだと思うのです。
こうした主旨のイベントのため、別な会場で開催する意義は見い出せません。
また今後、もし同じ会場で開催ができたとしても、もう(主催をした)自分では達成感を恐らく味わえないので、昨年(2021年)までどうもありがとうございます、ということでシャンシャンとしたいのです。
過去のDAFで話されたこと
DAFはこれまで23回観ているので、ここで挙げるのはほんのひと握りになりますが、今回もっとも伝えたいことに関連していることを中心に、3つ採り上げることにします。
緊張しいの人たちに効く話
DAF6(2016年12月)では、現在株式会社シャベリーズ 代表、まるっと空気を掴むMC、展示会専門接客トレーナーの【MC枠】丸山 久美子さんは、Aブロック1人目のご登場ということで、まず演者への拍手の送り方をレクチャーするところから始まりました。
そして注目すべきなのは、緊張していないように見せることができる術が随所にあったこと。
当初、緊張のあまり手の震えによってマイクを落としてしまったご経験があったとのこと。
そこで、手がなるべく震えることを防ぐため、マイクはあごに付ける……など。
憧れの人と自分と
DAF16(2019年6月)では、宮崎県都城市のコスプレ美魔女講演家「キャサリン」こと、相良照代さん。
講演のときはシヅエとしても定評があり、DAFでも欠かせない一人。また一般社団法人 お話美人協会でもある。
女性に向けて仮装姿で「笑う門には美も来るよ!」と、女性の真の美しさは、笑顔であり、笑
いじわができることも良いのである、というところから、仮装した講演で、客席は笑いの海に。
この日は【憧れ枠】「憧れのあの人みたいになりたい?なれるわけないだろ!」では、憧れのあの人みたいになりたい?--いや、なれません!という冒頭の話から入りました。
そして人生の主役は、妬む相手ではなく、紛れもなく「アナタ」だというお話。
諦めるという話
DAF27(2022年3月)では、長谷川孝幸先生の【諦観枠】『「あきらめちゃいけない」って誰が決めたの?』では、「状況を受け容れる」というお話をされました。
「どうにかできるものはあきらめない」。
つまりどんなにお金があっても逃れられないものは、まずは(状況を)受け容れること。
しかし何でも受け容れていたら、幸せはつかめず、成長も見込めない。
そこであきらめることと、あきらめないこととをどのように区別するのか?
それは、ヒューマンエラーや確認不足など、人がやればどうにかできるものはあきらめない。
どうやったって発生するもの、変えられない過去(のしがらみ)はあきらめる(受け容れる)。
その代わり、過去の夢やしがらみではなく、将来の見通しをあきらめないという区別を上手に付けましょう、というものでした。
これを統計学の研修で申し上げていることに当てはめると……
統計学の講師が普段担当している講座の例
冒頭の図の話に戻ります。
このデータは、日ごとの最高気温と、ある商品の販売個数を記録したもので、右側のグラフは散布図です。
つまり最高気温(横軸)と販売個数(縦軸)との関連を1枚のグラフで表わします。
総じて暑い日には良く売れて、あまり暑くない日には、あまり売れていなかったことを表わします。
このとき、図では省略していますが、このデータを直線であてはめ、直線予測を試みると、 y = 61.624 + 10.421x という直線の式が得られます。
これを翻訳すると、
販売個数(予測)= 61.624 + 10.421 × 最高気温
と表わすことができます。
ここで10.421は、最高気温が1℃増すごとに、増える販売個数を表わしています。
これが「暑ければ暑いほど売れる」関係を表わしています。
しかし我々が現実に考えること
我々は本来、たくさん売りたいのです。
このデータを基に、たくさん売るためにはどのようにしたら良いのでしょうか?
我々は最高気温を1℃でも上げることができるのでしょうか?
さしづめ我々ができることと言えば、「25℃なら322個売れるだろう」または「30℃なら374個売れるだろう」、ならば「322個売れるところを350個売るためにはどうしたら良いのかを考えよう」とか「374個売れるなら、売場やバックヤードの配置の支度をしよう」など、その後のアクションのために予測をするのです。
また「売上を左右する要因は他に何があるのだろう?我々がコントロールできることは無いだろうか?」と考えるのです。
「いや、気温以外にも売上を左右する要因は何か無いだろうか?」すなわち、我々がコントロールできることは無いか?を調べ、自分で(自社で)売上の当たりをつけることができると考えるのです。
ただ上司や経営者の鶴のひと声ではなく、こうしたデータや根拠に基づいて意思決定ができれば、万一ウマくいかなかったとしても、何がウマくなかったのかを考える糸口は見つけることができそうです。
数値予測、更に統計学を組織で使う本当の意義
予測したら、予測しっぱなしではダメ
より精度良く予測するのに、要因(最高気温?広告宣伝費?など)はこれで良いのか?
100%当たる予測はない
予測が外れてしまったとしても、資金繰りなどの事情を考えてどこまでガマンできるのかを考える
一発で当たるものは無いので、試行錯誤ができる現場を失くさないこと
鶴のひと声ではなく、意思決定までの過程が見える
これができる環境であれば、「今週末は暑くなるから、たくさん売れることくらい、お前は半年もここで働いていながら、そんなこともわからんのか!」なんていうツラい会話は、起こり得ないのです。
人の話を聞くときでも、より温かく聞きやすいでしょう。
拍手も温かくなりますよ。
組織では、全体がウマくやっていかれるように向かいます。
心身を患うような働き方になる人も減ってゆきます。
ウマく行っている他人を妬んだり、うらやましがったりする暇も生まれないのです。
最後にまとめ
「試行錯誤を繰り返すこと」逆に言えば「試行錯誤を繰り返すことができる環境があって良いという世の中であるべき」!
「一発で(答えや正解といった)成果を求めないこと」逆に言えば「一発で成果が出なくても良いという世の中であるべき」
「そもそも自分で正解にしてゆくことを考える」
そりゃスパッと解が得られるスピード感はいいんですよ。
しかし、子ども達だけでなく大人まで、失敗を許さない、失敗に臆病になるような人は減った方が良いのです。
こうした世の中にできないだろうか?と、統計学の講師を名乗るわたくしは考えるのです。
追記 ~ ほかにもDAFで得たもの
DAFオーディションにて
DAFオーディションでは、チャレンジャーが本番同様に1人10分間の持ち時間を経て、講評を受けます。
この講評は決まって、「登壇時間」、「良かった点」が話されます。
その後「更にこの話を良くするところがあるとすれば」として、アドバイスを具体的にくださるのです。
この講評のやり方は、実際わたくしの研修でも反映しました。
DAFベテラン登壇者からも
今回は粗く記しましたが、たとえば3つのポイントを列挙する場面があるとき、次のような構成で話をされる方が何人もいました。
わたくしにとってお手本になりました。
こういうのって、ただ「セミナーの先生になれる講座」を受講して教わるよりも、何度もDAFを観て、繰り返し繰り返し身体に入って、定着してゆくという方法も、良いかもしれれない。
何について話すのか「例:夫婦の食事時間がウマくいく3つのポイント」
3つのポイントを列挙
それぞれのポイントの詳細を話す
最後にもう一度、3つのポイントを復唱する
特に今回(DAF28)
【転石枠】アンディ中村さんの『日本国憲法で一番大切なのは第26条』というテーマでお話をされたのが、今回特に関わっています。
そしてこれは子ども達の教育の話が中心になりましたが、大人たちの社会でも、考えてゆかなければならない課題だということで、一生のテーマとして、より強いものになりました。
DAF28を観よう!!
最後にもう一度 →
DAFありがとう!!!
記事をお読みくださり、ありがとうございます! あなたのサポ―トは、今後更により良い記事を提供するための、大きな力になります!