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オンプレでデータドリブンをするメリットについて|データドリブン座談会レポート

はじめましてこんにちは。メンバーズデータアドベンチャー(以降DA)の清野です。

前職では、介護事業会社で運営・経営・Web(サイト・広告)・社内エンゲージメントのデータ分析をしていました。
2020年4月にメンバーズグループへ入社し、保険事業会社のオンプレ環境でMicrosoftAccess、VBAを使用したデータベース開発・保守を担当。
最近だと、小売・流通企業でAWS環境でのデータスチュワード領域を担当していました。
中学生の子供がいるワーキングママです。

株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニー
データアナリスト
清野由紀(きよの ゆき)

今回は、2022年9月29日に開催したデータドリブン座談会のレポートを書きたいと思います。


1.オンプレは時代遅れ?

2000年代半ばからクラウドサービスが登場し、多くの企業がオンプレミスからクラウドに移行するようになりました。
令和3年度の総務省の調査でも、クラウドサービスを利用している企業は7割※となっています。

このように、オンプレ環境でデータベース構築をしているクライアント企業というのは、珍しがられたり、古いという印象を持たれがちでした。
しかし、あえてオンプレ環境を使用している企業は実際にいます。
事実、DAに異動し、はじめて常駐したクライアント企業で担当した案件は、オンプレ環境でのデータベース構築でした。
そこで、なぜオンプレ環境を使用しているのか、またクラウド環境に変更する可能性はあるのか、ということが気になり、自分なりに調べた内容を発表しました。

※参考:総務省 報道資料 令和3年通信利用動向調査の結果(n=2,396企業)

2.あえてオンプレ環境を選ぶ理由

まず、あえてオンプレ環境を使用する理由を調べました。

1.企業のセキュリティポリシー上、第三者のクラウドベンダーに機密データを預けられない
2.担当者の退職やドキュメントの未整備で再構築が難しい
3.システムのクラウドへの移行コストやクラウド向けに再開発するコストが支払えない
4.システムとの依存関係により、オンプレミスのまま塩漬けにせざるを得ないケース

ニフクラ クラウドナビ

実際に、1、4のケースでクラウド移行が進まずオンプレミス環境でデータベース開発を行うという状況は私もありました。
たとえば私が常駐したクライアント企業の場合は、お客様の個人情報(氏名、住所、購買情報など)をクラウド上で扱うことは、セキュリティー上難しいということで、Accessから連携させるBIツールもオンプレ環境で使用できるツールを使用していました。
この場合のクリティカルな理由としては、セキュリティーを考慮したうえでシステムを構築しているので、オンプレ環境からクラウド環境に変えることは難しいということでした。

3.オンプレ環境とクラウド環境のメリットデメリット

次に、オンプレ環境とクラウド環境のメリットデメリットを整理し、それぞれ、何に適しているのかを一覧にしました。

識学総研 ブログ「オンプレミスは時代遅れ?クラウドとの違いやメリット・デメリットを解説」

やはり、オンプレ環境はセキュリティー強度とカスタマイズ性が高いということがメリットです。
対して、クラウド環境は初期費用や導入コストが低く、すぐに利用できることがメリットといえそうです。

4.企業がクラウドサービスを利用しない・する理由

また、クラウド環境を使用していない企業がどういったことを気にしているのか、ということを総務省の通信利用動向調査報告書が調査していたので、紹介します。

・情報漏えいなどセキュリティに不安がある 37.0%
・クラウドの導入に伴 う既存システムの改修コストが大きい 29.2%
ネットワークの安定性に対する不安がある 15.2%

総務省 通信利用動向調査報告書

実際に、クラウドサービスを利用しない企業の37%は「セキュリティに不安がある」ことを理由にしています。

一方で、クラウド環境を利用している理由についても、同様に総務省の通信利用動向調査報告書で確認しました。

・場所、機器を選ばずに利用できるから 45.5%
・資産、保守体制を社内に持つ必要がないから 42.3%
・災害時のバックアップとして利用できるから 38.1%
・安定運用、可用性が高くなるから 37.3%

総務省 通信利用動向調査報告書

クラウドサービスを利用している企業の45.5%は、「場所や機器を選ばずに利用できるから」ということと、42.3%は「資産・保守体制を社内に持つ必要がないから」と、利便性が高い点を魅力に感じているといえるかと思います。

5.導入しやすいプライベートクラウド

クラウド環境のメリットもとりこみつつ、オンプレ環境のメリットのようにカスタマイズできるような形でクラウド環境を構築したい場合は、プライベートクラウドという選択肢もあります。

プライベートクラウドとは、ユーザー専用に構築されたクラウド環境です。

オンプレミス型:カスタマイズが可能、柔軟なスケールや高速なデプロイといったクラウドならではのメリット。社内にサーバーや回線を用意して、その上にクラウド環境を構築。クラウドとして利用できる環境を構築するという違いはあれども、ハードウェアを自社で調達して運用するという点において、従来のオンプレミス環境とよく似た形態。

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ホスティング型:自社で環境を用意しなくてよい。オンプレミス型に比べて導入のハードルが低い。オンプレミス型ほどの自由度はない。パブリッククラウドの一部を隔離して、自社専用に提供してもらう形態。コストはパブリッククラウドより割高、またはオンプレミスと同様の導入コストがかかる。

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ただし、導入コストはオンプレ環境と同様です。
サーバールームは確保できないけれども、セキュリティ性の高い環境を構築したいときの選択肢としては良いかもしれません。

6.良いとこどりのハイブリッドクラウド

そのほか、ハイブリッドクラウドという選択肢もあります。
ハイブリッドクラウドはオンプレミス・プライベートクラウド・パブリッククラウドの組み合わせを使い分けて構成されます。

機密性の高いデータを扱う基幹部分→自社管理下のオンプレミスで構築

開発スピードや柔軟性が重視される開発環境や負荷に応じた迅速なスケールが必要なサービス部分→クラウドで構築

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システム構成が複雑になりがちなので、各プラットフォームの特徴を正しく理解し、適宜最適なプラットフォームを選択、組み合わせる必要があります。
例えば、機密性の高いデータはオンプレで扱い、公開データはパブリッククラウドで扱うといったような、複数の環境を使用するシーンでは導入できるかと思います。

7.オンプレミスプランのあるデータプラットフォーム

それでも、やはり企業のセキュリティコンプライアンス上オンプレ環境しか選択できない!ということであれば、クラウド環境と同様にオンプレ環境でデータプラットフォームを構築できるツールを使用して、データ分析やデータ基盤を構築する方法もあります!
下記にていくつか紹介しますので、調べてみてください。

  • FileMaker:ローコード・ノーコードでデータベース開発ができる

  • Tableau Desktop:データ統合プラットフォームMicrosoftAccessなどのデータソースと繋げることができる

  • Tableau Prep:データクレンジングを視覚的に把握しながら行える

  • Palantir Foundry:データ基盤、分析ツールを可視化

出典:Palantir パランティアのご紹介

8.終わりに

このように、全てをクラウド移行しなくてもオンプレでデータドリブン環境を整えることは可能です。自社の環境やクライアントの環境によって、適切にデータドリブンによるアクションを進めていきましょう!


さいごに

こんな感じで不定期ですがLT会というものをやっております。
ご興味あれば、下記のコンパスで情報発信しておりますので、ぜひフォローしてください!

https://dataadventure.connpass.com/

ここまでお読みいただきありがとうございました。
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