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コラム:分析には欠かせない”仮説構築”で大事なこと

分析を進める際に重要な仮説構築に関して大事に思うポイントとTipsをまとめた記事です。


どうして仮説構築するんだっけ?

普段仕事で案件をもらう時、一定の成果/成果物を求められます。
企画であれば企画書や施策での成果、分析であれば分析報告書などその形は様々です。

自分のやりたいペースでやりたいことを色々試しながらいいアウトプットを出していきたいものですが、大概の案件ではある2つの”制約”が存在します。

”時間”と”お金”です。

好きなだけ時間をかけて満足が行くまで分析したいものですが、これらの2つはビジネスを進める上では重要なことが多いので守る必要があります。

しかし、分析などが厄介なのが大抵”決まった答え”がわかっていないということです。
何も考えず、ただ思いついたままに進めても、時間とお金は消費され、結局質の悪いアウトプットになったり、たどり着かないといったケースでさえありえます。

そういった事態にならないために重要なのが”仮説構築”です。

その名の通り、検証したいことに対して”仮の問い”を立て、分析などを通して検証することで意思決定などの行為をサポートすることができます。

以下の記事で企画や分析を始める際には本当の原因を見極めようと書きましたが、原因を見極めるのが下の図で言うスタート地点の精査であれば、仮説構築と言うのはスタートからゴールへの道を”効率的に”進め、かつ、”期限内にたどり着く”ために役立ちます。

何も考えず進めてしまうとグレーの線のようにたどり着けなかったり、段数を多く踏むことになる

仮説で重要なポイント

さてそんな仮説構築ですが、なんでもかんでも仮説として立ててしまえばいいかといえばそうでもありません。

全ての仮説を確かめる時間とお金があるのであれば問題ないのですが、現実はそうはいかないので、ある程度出した仮説の中でも優先度を決めて進める必要が出てきます。
(とはいえ分析するとはみ出したくなるのも分析者の性です)

では優先度をつける中で良い仮説の条件とはなんでしょうか。
正直ケースバイケースといえばそれまでですが、個人的には以下の2点を重要視しています。

仮説構築で重要なポイント

まず1つ目が”その仮説を検証することが次の行動や判断につながるか”です。

分析などを依頼する方の多くは、意思決定を迷っています。
AやBやCなどいろんな策は考えているが、結局どうすればいいのか主観的には決められない。あるいは、そもそもどこから手をつければいいのかわからない。といった状態が多く、彼ら彼女らは分析を依頼することでその迷いを整理し、意思決定をすることで現状から次に進みたいと考えています。

その人々に対して私たちが行わなければいけないのが、彼ら彼女らの疑問に対して仮説をたてて、検証を行いその結果を示すことで次の意思決定を促すことです。

例えば、ECショップのサイトを運営しており、より商品の購入率を増やしたいと考えている人に、次の2つの分析結果を示したとします。
A:サイト滞在時間と購入率(サイトに長くいるほど購入率が高い)
  +サイトの印象に関しての定性的な声
B:ユーザーのサイト遷移と各ページの離脱率
 (ある特定のページの離脱率が高い)
 +その特定ページの次への遷移ボタンが分かりづらいという定性的な声
あなたであればどちらの結果の方がほしいと感じますか?

おそらくBを選ぶ方の方が多いのではないでしょうか。
これはAは結果を示されても、サイトに長く居続けてくれるにはどうすればいいのかの道筋が見えない一方で、Bはその特定ページのUIを修正しないといけないといった具体的な次の行動が見えてくるからです。

ここでは分かりやすい例示を持っていましたが、案外分析結果を並べてしまっているレポートは存在しており、そこから相手にどんな意思決定や行動をしてほしいのかが見えないことは多かったりします。

そんな事態を防ぐために重要なのが”その仮説を検証することが次の行動や判断につながるか”という視点です。

次に重要だと考えているのは”現実的に検証できるか”という点です。
例えば、あるマインドフルネスの研修を受けた人が1年後幸福度が高くなるかを検証したいと考えたとしましょう。
ある程度厳密に環境を同じにし、十分なサンプル人数を集め、ランダムに対象者を振り分けてABテストを行えばある程度の信頼性がある結果が手に入ることがあります。

しかし、その検証を実施するには多くの費用と時間、人々の協力が必要となる上に、研修以外の要素はコントロールしきれない+研修前の要素も揃え切るのは難しいため、厳密に検証したいと考えても難しいことが考えられます。

かつ、お金と時間の制約があるビジネスの世界においてはなおのこと難しくなるでしょう。

このような検証は仮説として筋が良くともビジネス場では検証が難しいことが多いためその面においてあまりいい仮説とはいえません。
そのため”現実的に検証ができるか”という問いはビジネスにおける仮説には必要になってきます。

分析ロードマップを設計する

さて、ここまでなぜ仮説構築をするのかといい仮説の特徴を見てきました。
最後に、仮説構築を含めて分析を進めていく上で役に立つ分析ロードマップについて書いていきたいと思います。

分析ロードマップってなんぞや?

いきなり”分析ロードマップ”ってなんぞや?となる方もいると思います。
それはその通りで私が勝手に分析の際に作っている分析の設計書です。

特段、分析において必須という訳でもないです。
ただ、このロードマップを作ると、分析していて迷子になったり、目的を見失うことがないのでオススメします。

分析ロードマップの作り方

”分析ロードマップ”といってもそんなたいそうなものではありません。
作り方は簡単で、以下の図のようにまず”目的”を上に書き、その下にどんな仮説検証や分析を行うのかを整理するといったものです。

分析ロードマップ

作る際に意識しないといけないのは目的と仮説とのつながりで、ここの部分において先ほどの”その仮説を検証することが次の行動や判断につながるか”を考えます。

そして、各仮説の分析を考える際には”現実的に検証できるか”を考え、分析手段を整理します。
この時点で検証が難しいものは、どのレベルまでの情報を揃えておくかを考えた上でパーツを揃えましょう。

実際、分析を進めていくとここの仮説のラインナップは変わっていくものですが、ただこうして絵にしておくことで不要な分析を行う手間や行き当たりばったりの分析になるといったことは結構防げます。

また、整理することで足りない要素があることに気づけたり、既に目的の説明までのストーリーが出来上がっているので、分析結果から報告書を作成する際もこのロードマップをなぞればOKになります。

綺麗に絵にする必要はありませんがノートにお絵描きするだけでも効果はあるので気になった方は是非試してみてください。

まとめ

今回は仮説構築に関してコラムを書きました。分析を行う方にとってかなり便利なので是非実務でも取り入れてもらえたら幸いです。
とはいえ、この仮説を出すのがしんどい時もあるので次回の記事ではChatGPTを使って仮説の洗い出しをサポートしてもらえるプロンプトを設計してみました!気になる方は是非読んでみてください!

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