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ホーキンソンはシュートが下手になったのか?


言わずと知れた人気者、ジョシュ・ホーキンソンですが、今季はそのシューティングスタッツを大きく落としています。
現時点でのスタッツを昨年と比較してみましょう。

FG%   54.2%→46.7%
2pt%   58.7%→54.8%
3pt%   41.2%→27.8%

特に3ポイントパーセンテージの下落が目立ちます。

一方で、11/3時点での11試合を比較してみると、2ptについては試合を重ねるごとに改善・安定している一方で3ptに関しては安定していません。そもそもアテンプトがバラバラです。

今回は、
①外しまくって敗戦して開幕当初の秋田戦
②2ptは決めたが3ptは外しまくった川崎戦
③両方決めたが負けた京都戦
を見ていきながら、彼に何が起こっているのかを探っていきましょう。
面倒な人は結論だけ読んでください笑笑


case1:VS秋田戦(10/12)


と思っていたら、秋田戦は実にわかりやすいデータになりました。
これは、ホーキンソンのこの試合の全シュートをまとめているデータで、「シュートした位置」を元に色分けしています。

スリー→緑
ミドル→赤
ペイント内→黄色
ゴール下→青

になっていますが、言わずもがな、ミドル・ペイント内・ゴール下がいわゆる2ptシュートです。これが見事に明暗が分かれていますね。

※ペイント内とゴール下は何が違うかというと、以下のシュートチャートのうち、ペイント内が赤いところで、それに囲まれている92%がゴール下です。ちなみにミドルは赤の外と、スリーの間の部分ですね。

https://www.bleague.jp/roster_detail/?PlayerID=12598

それぞれごとにみると、ホーキンソンは以下のようになっています。

ミドル→3本試投、0本成功
ペイント内→6本試投、2本成功(2本ともダンク)
ゴール下→2本試投、1本成功・2本ファールドロー
※ダンクはゴール下の方に換算されているかもしれません。

さて、実は上のシュートチャート(その選手やチームがどこからシュートをどれくらい撃ってどれくらい決めているかの表)はホーキンソンのチャートです。どんな特徴があるかというと

①ゴール下の確率が異常に高い
②ペイント内は確率が低い
③ミドルはそもそも少ない(1試合に1本程度)

となります。

①・②は過去のホーキンソンを見ても、今のチームメイトの外国籍選手を見ても明白です。
ゴール下が80%を超えている選手すらいませんし、ペイント内は普通50%を超えます(トラビスが怪しいですが)。
ホーキンソンは一昨シーズンはチームも違うので、やはりシュートは本来上手い選手です。ていうかこうみると素晴らしいですね。ホーキンソン。

https://www.bleague.jp/roster_detail/?PlayerID=33095など


こうなると、この試合でホーキンソンのシュートスタッツが悪かった理由は明白です。


①ゴール下の数が少ない

2本をファウルで潰されているので、スタッツ上は1/2になっています。

②ペイント内の数が多かった

ここの数が多く、ダンクしか決められていません。
これに関しては、実際はあと2本は決めたかったかなと思います。
1Qのフローター、2Qの左手フックはホーキンソンなら十分に決められたシュートかなと思います。

③ミドルを打つように仕向けられた

タフなミドルを3本、そしてスリーもタフなものが1本ありました。
これはチームとしてのオフェンスの問題が、ホーキンソンのシュートという形になって現れただけで、特にホーキンソンが悪いわけではありません。
むしろ、その状況を作ったガード陣かな。


2ptに関しては上記の通りですが、では3ptはどうでしょうか?
4本あり、1本は上述の通り、ステップバックスリーというタフなシュートです。まず入りません。
残りの3本に関して、キャッチ&シュートですが少しパスがずれています。

ホーキンソンは「シュートが上手い」と言われ、それは間違いないのですが、シュートが上手いには2つのタイプがあります。

1.動きながらのタフなシュートを決められる
2.オープンなシュートを確実に決められる

ホーキンソンは明らかに後者であり、かなりパスの質にシュートの確率が左右される印象があります。
この試合を見る限り、いいパスからは2本試投の1本成功なのでホーキンソンのイメージ通りです。

これを踏まえて、現時点での結論は

ペイント内は下手になっているがそれ以外は変わらない


ということになると思います。



さてさて、では、これを踏まえて次のVS川崎戦を見ていきましょう。
見るポイントは2つです。
①2ptの確率UP(7本試投の5本成功)の内訳はゴール下の増加 or ペイント内の確率UP or その他?
②スリーが外れまくっているのは簡単なスリーを外している or タフなスリーを打たされている?


CASE2:VS川崎戦(10/23)

また、データを見ていきながら、先ほどの2つの疑問を解消していきましょう。

①2ptの確率UP(7本試投の5本成功)の内訳はゴール下の増加 or ペイント内の確率UP or その他?

結論、後者の「ペイント内の確率UP」でした。
ゴール下→2本試行 2本成功 2本ファールドロー 100%
ペイント内→3本試行 3本成功 100%
ミドル→2本試行 0本成功 0%

比率は秋田戦とそこまで変わっていませんが、ペイント内を全弾命中させています。特に最初の2本はそこまで簡単なシュートではなく、秋田戦では外していたシュートを沈めていたように思えました。

②スリーが外れまくっているのは簡単なスリーを外している or タフなスリーを打たされている?

これに関しては前者「スリーが外れまくっているのは簡単なスリーを外している 」でした。
この試合、珍しいことにフリースローも2本連続で外し、ミドル2本もフリーで外します。
そしてスリーも全てオープンでした。パスに関してもそこまで咎めるものではなく普通にナイスパスです。
これは、決められないホーキンソンが悪いですが、1シーズンに1試合くらいはこういう日もあるのも事実になります。
この6本のスリーは普段のホーキンソンなら半分は決めていると思われます。
11/3時点で、ホーキンソンのスリーは

10/36→27.8%
となっていますが、これが3本入っていると
13/36→36.1%
と昨年の41.2%に及ばないまでもホーキンソン比でも普通の数字に落ち着きます。


ここまでのまとめとしては

『スリーは1日の厄日が全体のパーセンテージを大きく下げているだけ。ペイント内が戻れば、ゴール下の異常な確率も相まってスーパーな選手に戻るはず』
となります。

では、最後、京都戦を見る上でのポイントは以下の二点です。

①ペイント内の精度は維持しているか?
②3ptはフリーをしっかり決められているか?
です。それぞれ、5/7、2/4と高確率で決めていますが、その内訳によりフォーカスを当てて見ていきましょう。


Case3:VS京都戦(10/26)

さて、以下にまとめ直します。
ゴール下:4本試行 4本成功 1本ファールドロー
ペイント内:2本試行 1本成功 1本ファールドロー
ミドル:1本試行 0本成功
スリー:4本試行 2本成功

①ペイント内の精度は維持しているか?
②3ptはフリーをしっかり決められているか?

→ひとまず、両方ともイエス、と言っていいでしょう。
ついでに、ゴール下の超高確率も続いています。

結論:心配ないが…


シーズン当初はペイント内のフィニッシュに精彩を書いていましたが、今ではすっかり元に戻しています。
むしろ、ゴール下での強さが向上しており(体の使い方が上手くなっている)、これは昨年度からの積み上げであり、進化となる可能性が高いです
この2つが上の表の赤い部分ですね。いい数値です。

スリーも、川崎戦という厄日でだいぶ下がっていますが、シーズンが進むにつれて37~8%程度に収束しそうです。

ただ、心配なのは渋谷全体としてホーキンソンの3ポイントアテンプトの数が安定しないことです。


もちろん、相手チームの守備戦術によって、アテンプトは変化するものではありますがそれでもここは心配ですね。
今年、ベンドラメ・クレモンズ・田中という、得点力の高いガード陣にさらに昨年仙台でブレークした阿部が加わりました。
彼らの存在感がこれまで以上に大きくなる可能性があり、如何に日本代表の柱・ホーキンソンと共存させるかが、HCルカの大きな腕の見せ所になりそうです。


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