セリフについて(前編)
まず「セリフ」や「描写」は大事なポイントだが、登場人物の性格や作品の色合いによって決まる面が多いので、「こうするといい」が一概には言えない。作者の感性や好みのリズムによるところも多い。自分自身の弱点に気づき、なんとかクリアすべく工夫を重ねる。
小説は創作物であるため「現実ではこんなこと言わんだろ」があってもいい、むしろそのセリフで、物語が、盛り上がることもある。しかし、ぎこちなさすぎては読者を冷めさせてしまう。
加減が難しいのー
そこで、実践するべきことは「他人の会話に聞き耳を立てる」ことだ。ダンボの耳を持って本腰を入れて、耳をそば立てよう。
「語尾」「話題の変わり用」など注意して聞くと意外な発見がある。
現実の会話は理路整然としていない、全然話しが進んでない、あっちこっち話題が飛んでいる。このまま小説に落とし込むとダラダラになるし、セリフだけでパッパと話しを進めると、セリフに頼りすぎになる。
「無駄に思えるセリフの応酬がありつつも、実は会話を通して、あるいは会話をするあいだも、的確にストーリーは進んでいた」が、ベストだ。
セリフの応酬の大切な役割は、登場人物の思い、考えや人格そのものを読者にさりげなく伝えること。
現実の会話をよく監査し、それを文章表現でどう落とし込むのか。耳の感度が非常に要求される。
「聴察」→「文章化」を繰り返す!
描写もまた観察が大事。目に映ったもの、感じだものを脳内で言語化する。言語化は「記憶すること」とつながっている。情景や感情の記憶が言語化を通してストックされていく。
セリフや描写はとにかく観察と言語化が大切。
「他者や自分自身に興味を抱く」好奇心まんまんで自他を観察して、言葉にしよう。
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