再会は望まない時に訪れる
ページをバーッッッとめくっている途中で見かけた言葉に惹きつけられて、詳しく読もうと手を止めたが見つからない事がよくある。必死にさがす。確かにみた、右側のページだった、何度もページをくるが、全然見つけられない。まるでそんなページなど存在しないかのような顔をして、表紙がツンと澄ましてそこにある。この現象に名前をつけたいけれど、付けたとこで何が変わるのだろうか。恐れが薄れる?会話が弾む?どんなに最高のネーミングセンスで名前をつけた所で、見失った1ページのその一文とは再会できない。
そして、またどうでも良さそうに適当にページをめくりつづけ、何を探していたのか忘れた頃になってようやく見つかる。そんなものだ。その時にはもう何でそれを探していたのかも分からない。あの時稲妻のように痺れた感動は、虚空へと失われて帰らないのである。
失われた所で、何も変わらないけれど。
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