できること。
入院を控えた父。
今日は改めて内視鏡の検査を受けに行った。
口から入れるやつとのことで、やたら不安そうな父だったが、静脈麻酔してくれてあっという間に終わったみたい。
ところで、話は変わるけれど、
私はペーパードライバーだ。
半年前、私が今後気軽に運転できるようにと、可愛い軽自動車に買い替えたのだが、私は運転自体あまり好きではなく、運転を渋る私の後ろ向きな姿勢は、父を若干がっかりさせていた。
そんな私だか、
内視鏡の検査の日時が決まった先週頃、父に「検査当時は駅まで迎えに行けるよー」とサラッと言ってみた。
私は午後半休とることに抵抗もなかった。
しかし父は娘に仕事を休ませることに遠慮したのか、はたまた、単に私の運転に不安があったからのか「バスで帰るから大丈夫だよー」と言っていた。
でも、麻酔後なんだし…来てくれたら嬉しいよな、普通…と思い、
昨日の夜、偶然を装い、こう言ってみた。
「私、忘れてたけど、明日の午後休暇申請してたみたい。だいぶ前のことだったから忘れてた。。バスでもいいけど、必要だったら全然行けるから言ってね。」
すると、
「ほんと?じゃあお願いするかも。元気なさそうならお願いするかも」
と言った父の顔はどこか嬉しそうだった。
娘に車で迎えに来てもらうという、何でもない出来事が、父には嬉しかったようだ。
こんな些細なことを特別なことみたいにしてしまって申し訳ない気持ちになる。
私は今日、父を迎えに行くミッションをやり遂げて少しホッとしている。
雨だし夜だし、若干緊張したのは事実だけど。
小さい頃から、家族旅行、習い事などのお見送りやお迎えなど、全て父は嫌な顔せず引き受けてくれた。
こんな時くらい役立て、私よ。
お腹を切ることになるかもしれない父。
不安がないわけがない。
というか、私が既に不安なのだ。
だけど、家族の前では不安を見せないようにしようと思う。
私だったら、家族には当たり前に信じていてほしいから。
もし手術内容に不安があったら、いざとなったら私がお医者さんから話を聞いてもいいかなと思っている。父を不安にさせないためにも。
父は私の言葉に影響を受けやすい。
父は私の言葉なら信頼しやすいのを知ってる。
私自身、後悔したくないし。
先週本屋で、父が世界情勢のコーナーを色々見ていた。結局買わなかったのだけど、何となく印象に残っていたので、
私は一番読みやすそうで負担の少なそうなものを一冊選び、プレゼントしてみた。
こうやって小さなことで喜びの時間を増やしていけるといい。