Sanae-ish

石田早苗です。千葉商科大学で英語の非常勤講師をやっています。教科は英語ですが、英語という言語を学ぶのではなく、英語とICTというツールを使って情報を受信し、自分の考えを発信して、深く考え、多様な人たちとコミュニケーションできるようになってもらうための授業を実践しています。

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石田早苗です。千葉商科大学で英語の非常勤講師をやっています。教科は英語ですが、英語という言語を学ぶのではなく、英語とICTというツールを使って情報を受信し、自分の考えを発信して、深く考え、多様な人たちとコミュニケーションできるようになってもらうための授業を実践しています。

マガジン

  • 身近な英語・英語学・英語学習メモランダム

    大学生向け英語の教材、英語や映画や音楽が好きな人向けの英語にまつわるコラム、英語の教員が考えていることあれこれ、に関する記事を集めています。

最近の記事

ChatGPTと英語を学ぶ (2): 学内情報ニュースビデオを撮影

英語の授業で、自分の大学に関する情報をニュース形式で紹介するビデオをチームで作る活動の紹介です。 自分たちの視点で、わかりやすく伝える英語のニュースのトピックスは、学内のカフェテリアの新商品情報や、クラブや勉強会などの紹介、大学周辺のカフェなどの紹介、イベント情報等々、学生たちが自由に選びます。作ったビデオは「ニュースサイト」にまとめて掲載して共有します。 ニュースビデオのテーマを選んだら、自分たちがそのテーマで何を伝えたいかをチームで話しあって明確にします。ニュースビデ

    • ChatGPTと英語を学ぶ授業デザイン

      「何を話すか」を重視して授業をデザインする「ChatGPTと英語を学ぶ」シリーズでは、ChatGPTの力を借りながら、自分が英語で話したいコンテンツを、自分のことばで話す授業プランを紹介します。 自分は英文法をよく理解していないし、英語の語彙数も少ないので、英語が話せない、と思っている人は多いと思います。大学の英語の授業でも、英語で質問されて、質問の意味はわかっても、英語で答えようとすると一言も出てこない、という学生はよくいます。 では、文法をちゃんと理解して語彙数を増

      • ChatGPTと英語を学ぶ (1): Elevator Pitch(自分を売り込むshort speech)

        ChatGPTを使ってelevator pitchを作り、ビデオ撮影してクラスで共有してコメントしあう授業プランです。どんな英語のレベルでもチャレンジできます。 What is an elevator pitch(エレベーターピッチとは?)Elevator pitch(エレベーターピッチ)とは、エレベーターに乗っているくらいの短い時間(30秒から1分程度)で自己PRをするスピーチです。Pitchとは“売り込み”のことです。自分の「売り」について考えて話せるようにしておくと、

        • 【ChatGPT(3.5)で英語は学べる?】添削を頼むか作ってもらうか?

          前回は、ChatGPTに日本語を英語に翻訳してもらいました。今回は、学生の書いた英文のビデオ原稿を添削して、修正してもらうとどうなるか検証します。 ChatGPTにビデオ原稿の添削を依頼する テーマは、A day in the life of a first-year student (大学1年生の1日)。日本の大学生がどんな1日を過ごしているかを紹介するビデオの原稿です。ビデオでは、学生は画像や映像を見せながらセルフィーで撮影、あるいは、ペアの相手に撮ってもらいながら

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        • 身近な英語・英語学・英語学習メモランダム
          6本

        記事

          【ChatGPT(3.5)で英語は学べる?】ベストな表現を提案してもらうためのプロンプトとは?

          学生たちに、ChatGPTを活用してほしいと思いつつ、どういう使い方を提案するか検討中です。当面、GPT4は使えないので、3.5を使うという前提で、AIリテラシーを高めるにはどうしたらいいか。試行錯誤の過程をいろいろ書いてみます。 私の授業ではよくビデオ制作を行います。例えば、What's in my bag?(カバンの中身は?)とか、A day in the life of a university student(大学生の1日)などです。学生たちは、そのビデオで必ず使う

          【ChatGPT(3.5)で英語は学べる?】ベストな表現を提案してもらうためのプロンプトとは?

          今すぐ使える英語授業プラン! ビデオを使って発信する

          英文科や英語学科などで英語を専門に学んでいる大学生はともかく、それ以外の学生が英語を学ぶ必要があるのか(特に必修で)について、いろんな意見があるのはわかります。必要、不要それぞれの議論を聞くと、ごもっとも、と思いますが、個人的には「必修でやった方がいいんじゃない?」という考えです。私にとって、英語を身につけたことは自分の人生で数少ない「本当にやってよかった」と思うことの1つだからです。 私は、大学の学部は国語国文学科で、米国の大学院でTESOL(英語教授法)を学んだ後、一旦

          今すぐ使える英語授業プラン! ビデオを使って発信する

          【調べて考えて発信する小学校英語教材】Breakfast is ready! 朝ごはんができたよ!

          小学生の英語授業に使える英語教材です。さまざまなテーマで、基本表現を学び、調べ学習をして、そのテーマで自分たちでも発信することを目指します。 今回のテーマは「朝ごはん」です。 しずかの家の朝ごはんストーリーの聞き取り お父さんが朝ごはんを作っているよ。みんな、何を食べているのかな。あとかたづけをして、家を出るまで、みんないそがしそう!   音声を聞いて、絵を見ながら、_______ に入ることばはなにか、みんなで考えてみましょう。うまく聞き取れなくてもかまいません。音を

          【調べて考えて発信する小学校英語教材】Breakfast is ready! 朝ごはんができたよ!

          今すぐ使える英語授業プラン! YouTubeビデオで"考えて学ぶ"

          大学の英語の授業で使う教材は、英語という言葉だけを教えるものではダメだと思っています。どんなに完璧な英語を話したり書いたりできるようになっても、自分が言いたいことがなければ意味はありません。 では、いろんなことを知って、色々考えながら言葉を覚えるにはどんな教材を使ったらいいか。もちろん、ネットに無尽蔵にある動画を使うのが一番だと私は思います。リアルで新鮮であらゆるテーマから選ぶことができ、多様な英語にも触れられるからです。 そこで、私が授業で使っている"教材"をご紹介する

          今すぐ使える英語授業プラン! YouTubeビデオで"考えて学ぶ"

          【今すぐ使える英語授業プラン! YouTubeビデオで"考えて学ぶ"】Robin Greenfieldの30 Days of Wearing My Trash in Los Angeles

          30 Days of Wearing My Trash in Los Angelesで学ぶ 今回授業で使うのは、米国の環境活動家、Robin Greenfieldのビデオです。 彼は、自給自足でゼロ・ウェイスト(zero waste)の生活をして、講演活動も活発に行い、social mediaでさまざまな発信をしています。 2016年に、New Yorkで、1か月間自分が出した全てのゴミを身につけて生活するTrash Meというプロジェクトを行って話題になりました。そして、

          【今すぐ使える英語授業プラン! YouTubeビデオで"考えて学ぶ"】Robin Greenfieldの30 Days of Wearing My Trash in Los Angeles

          機械翻訳、もっと授業で使ってみる?

          コミュニケーションを楽しめる環境を作るのが教員の役目 英語の授業で機械翻訳を使うことに意味があるのか?という議論は時代遅れだと思っています。そこらじゅうで使えるようになっているものを利用しないという選択肢はないので、学生が機械翻訳を使うのはもちろん問題なし。ただ、現状では機械翻訳はまだいろんな間違いをやらかしてくれるので、自分の言いたいことを正しく伝えたいなら、翻訳された英語を検証して責任を持って発信するように、とは言います。まぁ、英語がわからないから使ってるのに、どうやっ

          機械翻訳、もっと授業で使ってみる?

          "生きている"英語を学ぶなら、紙の教科書ではなくリアルなコンテンツで

          授業で教科書は使っていません。大学に指定されていれば使うし、過去に何度か自分で選んで使ったこともあります。でも、他人が作った教科書を使いこなすのはそんなにかんたんではありません。さらに、日々進化していく「ことば」を学ぶのに、印刷されて何年も変わらないテキストを使っていていいとも思えない。ということで、今は基本的には教科書はナシで授業しています。 ■教科書は使わない、その理由もちろん、文法の復習をする時に、教科書が学生たちの「よりどころ」になる、ということはあるかもしれません

          "生きている"英語を学ぶなら、紙の教科書ではなくリアルなコンテンツで

          受験のための英語力はもういらない。大学の英語の授業で何をどう学ぶ?

          ■大学で学生たちが英語を学ぶ目的は? 日本の場合、英語は多くの高校・大学で受験科目なので、入試に合格することが英語学習の目的という中高生は多いです。彼らにとっては、"正しい"文法やたくさんの単語を覚えたり、聞き取りや長文読解ができるようになることが学習の目標です。 その是非はともかく(いいとは思えませんが)、大学生になったら、英語は受験勉強ではないので、目的も学ぶことも高校までとは違うはず。でも多くの学生たちが、大学の英語の授業でも「正解を出して、いい点数を取る」ことが最も

          受験のための英語力はもういらない。大学の英語の授業で何をどう学ぶ?

          【今すぐ使える英語授業プラン! ビデオを使って発信する】現地レポート形式で、英語のキャンパス紹介ビデオ

          Flipgridを使って行う大学の授業プランを紹介しています。 毎学期いろんな英語のクラスでOur (My) Favorite Place on Campusといったタイトルで、キャンパス案内のビデオを作っています。何年も前に始めた取り組みで、当初は自分たちが選んだ場所について取材し、写真を撮り、スライドを作って教室で発表し、それをビデオに撮って記録するというスタイルでした。 その後、貸し出しiPadやスマホのビデオカメラを使えるようになったので、可能な限り現地に行ってそ

          【今すぐ使える英語授業プラン! ビデオを使って発信する】現地レポート形式で、英語のキャンパス紹介ビデオ

          【今すぐ使える英語授業プラン! ビデオを使って発信する】自己紹介の代わりに20 Questions

          Flipgridを使って行う大学の授業プランを紹介しています。 新学期の授業に自己紹介はつきものですが、学生たちはいろんなクラスで自己紹介をさせられて、若干飽きていたりします。それに、ただ自己紹介をして、と言っても、ありきたりのみんなが言いそうなことだけでお茶を濁してしまうこともしばしば。「東京出身で、サッカーをやってました。ラーメンが好きです」とか、そんな大学生はそこらじゅうにいます。差別化が全くできていません。 そういう時は、20 questions形式で自己紹介して

          【今すぐ使える英語授業プラン! ビデオを使って発信する】自己紹介の代わりに20 Questions

          【今すぐ使える英語授業プラン! ビデオを使って発信する】Elevator pitchは、本当のことを具体的に簡潔に

          Flip(旧Flipgrid)を使って行う大学の授業プランを紹介しています。 Elevator pitch(elevator talk, elevator speechなどの言い方も)は、宣伝のための短いスピーチ。発祥は諸説あるようですが、1980〜90年代ごろに米国で使われ始めた手法です。エレベーターに乗り合わせた相手に、商品やサービス、あるいは自分自身を、降りるまでの30秒程度で売り込むスピーチで、どれだけ簡潔に的確にセールスポイントを伝えられるかが重要です。 授業で

          【今すぐ使える英語授業プラン! ビデオを使って発信する】Elevator pitchは、本当のことを具体的に簡潔に

          Nas Daily's 1 Minute Videosを教材に使う

          英語で聞いて、話して、理解して、コミュニケートして、考える力をつけてもらうための授業のアイディア。今回は、Listening力(聞いて or 見て理解する力)をつけるのに使っているビデオを紹介します。 Nas DailyNas Dailyは、Nuseir Yassin(Nas)というVideo Bloggerが2016年に始めたFacebook page。 Nasは、イスラエル生まれのPalestinian-Israeli(パレスチナ系イスラエル人)。Harvard大学を

          Nas Daily's 1 Minute Videosを教材に使う