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ルイジ・ノーノ(1924/1/29 - 1990/5/8)の「弦楽四重奏のための『断片-静寂、ディオティーマへ』」(1980)

 ヘルダーリンの書簡体小説「ヒュペーリオン」のディオティーマ宛の書簡から47の小断片が譜面に記載されているらしいこの作品。曲中それが朗読されたりはしない。まさしく不在の中心。

 初演のラサール盤、次のアルディティ盤よりも沈黙への恐怖からか詰まり気味に聴こえるかと思うが…全体の演奏時間では長い?

YouTubeでは譜面が鑑賞できる。
 断片と静寂っていうと、日本的な発想で仕上げたと思しき黛敏郎さんの曲をラサールが。

似ている様で明らかに異質、違いますわな。雅楽を模した音世界。

 政治的主義主張の強いテキストと切り離せなかった前衛的語彙が、次第に神話的哲学的テキストへ転換してるなと思った。実際この後あの「プロメテオ」へと向かうわけです。アルディティ盤の併録は「2つのヴァイオリンのための『夢見ながら "歩かなければならない"』 」(1989)、最後の完成曲かと。

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