クラウス・テンシュテット指揮の「サロメ」
テンシュテットの初の伝記・評論 “possessed by music”では第10のA章がまるっと「サロメを完璧にするためのテンシュテットの奮闘」という題で、当時のコンサート・マスターへのインタヴューがまとめられている。詳細でかなり独特なボウイング(弓使い)の指示に悪戦苦闘したがその効果は絶大で魔法の様だったとか、クライマックスでは楽器群ごとに微妙にクレッシェンドのタイミングをずらす事で天井知らずのクレッシェンドを実現したとか、ワクワクの内容で上に挙げた貧しい録音からその片鱗を聴き取ろうとしてましたが…
出ました、ロンドンフィルからBBC録音で抜粋ではありますが七つのヴェールの踊りと終幕部。
私が苦手意識強い、せっかくのフォーレ唯一のオペラ「ペネロープ」のスタジオでの整った録音のはずが、もひとり苦手な指揮者に加えてよりによってこのメイン歌手かって(多分テンシュテットの提案や話に耳を傾けないタイプ)、なのが玉に瑕ですけど状態の良い録音で聴けるとは僥倖。
「エレクトラ」の録音が実現されていたらなあ。
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