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ウィーンを去る: その1: アンドレス・オロスコ=エストラーダ

 去るといっても今でもウィーンフィルに客演する事も多いんですが、ウィーン交響楽団の主席指揮者を任期半ばで辞したのは意外でした。コロンビア出身でウィーンで学び、ウィーンのトーンキュンストラーの主席指揮者(今は佐渡裕さんですね)として頭角を現した人でしたから。台頭する新鋭の多くがピリオドアプローチはじめました、と言わんばかりに個性を押し出し差別化を図っている状況下、その頃のマーラー「交響曲第一番」、メンデルスゾーン交響曲全集、ベルリオーズ「幻想交響曲」、ブラームス交響曲全集は、オーソドックスで若々しく、奇を衒わないもので好感を持っておりました。
 hr交響楽団(インバル!)に転じてさらに華々しく活動されました。ディスクもそうですが、放送オーケストラなので多量の実演映像がYouTube等で観る事が可能になりました(特に誰がやってもそれなりですがこれはひと味違うマーラーの第三番がお勧め、指揮姿からお人柄が(個人の感想だなそれぢゃ))。意外だったのはハイドンの初期交響曲、またベートーヴェン交響曲全曲はピリオドアプローチが顕著だった事。同時期アーノンクールの代役でコンツェントスムジクスのベートーヴェン全曲演奏を引き受けてたと思います。
 そしてフィリップ・ジョルダンの後任としてウィーン交響楽団へ、だったのですが。
 残念だなと思っていたら、何とあのフランソワ・グザヴィエ=ロトの後任として2025年からケルンのギュルツェニヒ管弦楽団のカペルマイスター就任が決まったそうです。となるときっと彼念願の(勝手な決めつけだな(これまでは「サロメ」、ガーシュイン「ポーギーとベス」等) )オペラを指揮する機会も増えるのでしょうか。

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