シリーズ“le roi”その1 Le Roi Carotte (にんじんの王様)(1872) ※附録:シャブリエ「お星さま」(1877)
元来は全四幕で6時間を超える大作だったそうですが、ナポレオン三世を諷刺したアクチュアルな内容で大ヒットしたらしい。ローラン・ペリー演出の舞台は良さそうですが、残念ながら気軽には観られないみたい。
序曲、アルメイダさんはオッフェンバック・ルネッサンスを準備してくれた一人だと思います。
forlaneのアンソロジーにもこの一曲だけ。
評判のジョディ・ドゥヴォさん。
で、無理矢理ですがシャブリエの“l’etoile”、初演は1877年で「にんじんの王様」から5年しか経っていないことに改めて気付く。音楽世界が、特に和声感覚が随分と変わる。冒頭まもなく登場をするRoiのウフ1世が抱腹絶倒の大活躍するんで、このシリーズに混ぜてしまってもそんなに問題ないでしょ。
マイエルベーアのもじり、パロディのようなフレーズが随所にあると有識者がおっしゃるのだが、例えば「若いの、お前は王を平手打ちしたのだ!」ってかっこよく歌うとこか? きっと違うな。
私でもよくわかったのは「シャルトルーズ・ヴェールの二重唱」、イタリアベルカントオペラのアリアのパロディ、ドビュッシーにばか受けしたそうだ。
ナチス占領下パリ・オペラコミックで1941年録音、かのデゾルミエール指揮で絶妙。この曲はやっぱりペレアスと同列におくべき重要な作品なんですよ。
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮リヨン劇場の全曲録音が私の刷り込みになっている。他にも前掲のデゾルミエールの他、アンセルメ、さらにはアンゲルブレシュトの抜粋盤があり。