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ルディ・シュテファン(1887/7/29 - 1915/9/29)のオペラ「最初の人間たち」(1909-14)
同じくカインとアベルの物語が元でも全く意味合いが変わってしまった、フロイト以降、第一次世界大戦を前にした時代に28歳で戦場にて夭折したルディ・シュテファンのオペラ作品。私はオランダでのフランソワ=グザヴィエ・ロト指揮ACO、演出カリクスト・ビエイトの舞台で曲や作者の存在に気づいた口なんですが、この取り合わせだけでも色々やばそうでしょ。シュテファンのプロフィールや本作のプロットなどを読んでるとゲオルク・トラークルを思い出す。
ヴォーカル・スコアによれば登場人物は次の四名、
ĂDAHM (バス) 「アダーム」
KẮJIN (バリトン) 「カイン」
CHĂWA(ソプラノ) 「ハーヴァ」
CHÁBEL(テノール)
仮名手本忠臣蔵での「大星由良助」的な命名と思うのですが何か深い意味も込められているのか不明にして不明。Aの上の記号は何由来なのか、ブルガリア語とか中欧の言語にありそう。ちなみにHMVなど日本語の記載では「チャヴァ」とか書いてあるのが多いですが(輸入元の資料丸写し?)、音源では明らかにハヴァと歌ってる。「カジン」でも無いよ。実は自分で一度も聞いてないだろっ担当者(笑)。スキャンダラスな内容の原作なんで、検閲に備えて綴りを変えてるが読み、音は何も変わってないって事ぢゃないかな。
舞台はDIE URLANDSCHAFT、訳すなら手付かずの自然、原風景というところか。第一幕短い前奏は舞台上のコール・アングレの旋律、「幻想交響曲」「トリスタンとイゾルデ」に繋がる羊飼いの風景。春、第一場仕事に精を出すアダームとそれを眺めるハヴァ。私は春が好き、大地にキスするの、ハヴァはいつもキスの事ばかり考えているね、アダームはいっつも真面目。…
日本語のまとまった解説が無さそうなので私がって、大それて書き始めてみたはいいものの、いや実に頭痛が痛い。聴いても今の所ふっと魅了される、すっと入ってくる所が乏しく(※個人の感想です)繰り返し聞いてると辛くなって、グラウンのオペラとかマレンツィオのマドリガーレが無性に聴きたくなるんす…すみませんがまたやる気が起こるまで未完成で中断、悪しからず。
オペラ幕切れ、最後にはアダームの「多くの人物が現われてはカインのようなことをするだろう、そしてこの果てしない世界の中を嵐のように駆け巡るだろう、しかし、星々もまた彼と同じように現われ、彼と同じように光を放ち、この安らぎのない世界における永遠の帆のように立ち続けるだろう」(⁇ この訳はどうなんでしょうねってすいません)という暗示的な台詞で終わるんだそーすけどね、その後に物凄い高揚して終わるんですが(いいこと言ったつもりなんだろうな)、残念すが今の所違和感しかないす。
でこの強烈な内容のオペラを両親に献呈って、新婚の妻に「ムツェンスクのマクベス夫人」を献呈するあの人くらいのインパクトですな。