サー・エドワード・エルガー(1857/6/2 - 1934/2/23)のオラトリオ「使徒たち」(1903)でのショファル
ショファル、以前取り上げたサヴァールの「エルサレム」で
最初と最後に鳴っていた角笛ですね。これをエルガーはオラトリオ「使徒たち」の夜明けの場で使用を求めてますが、実際的にはトランペットかフリューゲル・ホルンなどで代用してるそうです。ディスクではサー・マーク・エルダー盤が本物のショファルを使ってると明記してました。
それにしてもどうも奇妙な作品で、受難曲と同じ流れのストーリーを扱っているはずなのにパラレルワールド、全く違う世界の様に感じます。マグダラのマリアやユダにも重きを置いているのはイギリスのカトリック信者という出自、マイノリティである事と結びつける議論も見ましたけどね。使われた自作のテキストもまた独特で、旧約新約、旧約外伝、更にはユダヤ教の経典タルムードまで、その引用だけで構成されパッチワークかモザイクかという代物です。全編エルガーはん一流の濃密な音楽なんですが、朝の詩篇、の音楽だけはちょいと気恥ずかしい中東風音楽のクリシェの原型になりそうな感じだったり…
全曲はボールトのノビレメンテな名演奏をお勧めします。
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