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ルネ・ヤーコプスのドイツオペラ 2:ゲオルグ・フィリップ・テレマン(1681-1767)「オルフォイス、または愛の素晴らしき不変性」(1726) その4

(承前)第三幕第一場、場面はすっかり変わってロドピ山脈近くの庭、オラジアとイズメネ、冥界からの出口での待ち伏せ、もう一度オイリュディケを殺めようと備えている。華麗なドイツ語アリアが二曲、第二場オルフォイス独りが現れる。全てを知らされた彼には無論オラジアの愛を受け入れる事など出来ない。オラジアは怒りもう愛などないとイタリア語アリア、去る。第三場オイリメデスがイタリア語アリア、場違いに小鳥ちゃーんとか歌いながら、おや親友のオルフォイスまた会えて嬉しいよ云々かんぬん、ほっといてくれ一人にしてと言われぢゃもう君とは会わないよともう一曲ドイツ語アリア、で去る。…何だこれは…
 第四場オルフォイス独りドイツ語アリアを交えて嘆き続ける。
 第五場サンフォニーに続きオラジアと従者等が登場、復讐だあっと合唱付きアリア。※第六場はカット 第七場バッカスの巫女達登場、音楽は完全に魑魅魍魎扱い、フランス語のアリアと合唱、その後はドイツ語歌詞で彼らにオルフォイスが八つ裂きにされた事を物語る。オルペウスの伝えられている物語に基づいているとは知らなんだ。サンファニー。 
 第八にして最終場、後悔するオラジア(今更何を仰いますか)、オルフォイスとオイリュディケの亡霊と大きな溜め息とのト書き、フランス語のアリア。死を決意(冥界まで追いかけてくるの?てちょっと思ったが)、イズメネと従者達の嘆きのアリア。“音のタイル張り舗道”さんならばこの終曲をバッハマタイの終曲に例えるかも。終わり

 叙情悲劇のスペクタクル要素もちゃんと取り込んでるのは耳からもよく分かりました。リルケの「オルフォイスへのソネット」日本語訳の扉を表紙に。


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