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ジョゼフ=ギィ・ロパルツ(1864/6/15 - 1955/11/22)とアルノルト・シェーンベルク(1874/9/13 - 1951/7/13)の弦楽四重奏曲第四番

J.-G. R. の弦楽四重奏曲第四番ホ長調(1934)
1. アレグロ
2. アレグロ
3. クアジ・レント
4. アレグロ
 前作第三番を1927年に初演したのはあのカルヴェ四重奏団、本作は彼らに捧げられました(伝説的なベートーヴェン録音は1936-8年の事です)。1929年にストラスブール音楽院長を辞して故郷に隠遁した後、70歳時(!)の作品て事になるが更に若々しくなっとる。ソナタ形式の第1楽章、湧き上がるホ長調のアルペジョから第一主題群、五音音階の前半とリズミカルな(第4楽章に戻ってくる)後半。ハ長調に転じてカノンが第二主題を導く。展開部で旋律の息継ぎが短くなる部分はプーランクを思い出した。静謐な結尾が印象的。第2楽章はエオリアンスケール、ケルトの香りの民謡風、トリオはト長調で第1楽章の雰囲気が戻る。主部再現はリズムの変奏が面白い。第3楽章もフィナーレも簡潔でもって回った所がないのが熟練さか。快活な終始。

A. S. の弦楽四重奏曲第四番作品37(1936)
1. アレグロ・モルト エネルジコ
2. コモド(スケルツォ)
3. ラルゴ
4. アレグロ
 エリザベス・クーリッジ財団の委嘱
 これも十二音技法を全面的に使用した重厚さとスル・ポンティチェロやグリッサンド等特殊効果も随所にあるが地味さと渋さは否めない作品。拍子記号をデカく書いたり(ちょっとパワハラかな)、主旋律複旋律を明記し始めたのはベルクらもマネした。


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