ペレアスとメリザンド その5
1963年のアンゲルブレシュト盤、とうとう拝聴しました。何より生々しいステレオ録音の良さはもうもう歴代いちばんです。やっぱ硬直的に同じ解釈でグラン・オルケストルしとる。さらにカミーユ・モラーヌさんほんとに良かったです。
アンゲルブレシュト様、ここまで解釈がぶれないというかもう決まっているとこっちが本家家元だったんすねとしか言い様がないんす。私はデゾルミエールさんで初めて聴き通せた人間なんで、むしろ異端な耳でしょうか。
で、真の問題作はフランシワ=グザヴィエ・ロト指揮レ・シエクルの全曲録音ですよ。ノン・ヴィブラート、時代楽器および奏法、ヴィブラートの少ない歌い手など。冒頭から、確かに未聴の響きでワクワクするんですが、聴き進めるとゴローの声質は…むしろブーレーズの主張なのか、ややワイルドな声質、そう言えばメリザンドもちょと太い? あるいはペレアスはテノールっぽい?など、新鮮な響きに満ち溢れていますが、どーも…
先日とりあえずの結論を出してみましたが、もはやオーセンティックだのピリオド・アプローチという名称は無意味で、今や何にでも当てはめられる、今流行の演奏様式でしかないといってしまいましょ。
管弦楽パートは面白い響きかもしれないけど保守的な耳のせいかな、声楽部分は単純には魅了されない。頭脳を通して変換しないと納得できない感じでした。なのでどうも聴くのが細切れになっちゃいます。通して聴けない。