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アルベリック・マニャール 「ベレニス」、三幕からなる音楽悲劇 Op.19 その3

 第二幕 ローマ 皇帝となったティテュスの宮殿、執務室。第一場、ティテュス独り。四声のフーガの呈示部が短い導入になって、先ずは自分の運命を嘆いたりもするがローマの夜明けに対峙しその使命を受け入れる決心とローマの血を決して流さない誓い(長調化したフーガ高揚)を。しかし自らはいずれ涙を流す事になる、まもなく来る筈のベレニスに何と言ったものか?ムシアンを呼ぶ。第二場は威嚇的なムシアン=ローマの旋律が支配的。民の気が変わるかもしれないぢゃないかとささやかな抵抗を試みたりもするがローマの平和のためには好かれていない異国の女王を娶るなどもっての他だと、ティテュスも渋々承知。士官がベレニスが到着した事を告げる。第三場二人の場面、全三幕の中核に主役二人の二重唱がある訳ですが、第二幕は第一幕での時の様な一辺倒に「〜それは愛〜」ってな訳にはいかない。今までの様に話しかけ始めてハッと目の前の恋人はもう皇帝となっていることに気付く、またその複雑な表情に不安を。ティテュスも結構ストレートに別れを告げる。動転し気を失うベレニスを抱き止め思わず愛していると繰り返すティテュス。第四場ファンファーレに先導(扇動?)されステージ外から民衆(男声合唱)の声が湧き上がる。ほぼアカペラで手の込んだ歌詞と歌でベレニスへの中傷が三度繰り返される。
「ベレ二ッスッ二ッスッ二ッスッ二ッスッ」
「  ベ ー レ ー 二 ー ス ー 」
のリズム・コンポジション、ジョルジ・ベン・ジョールもびつくり、第一幕とは間逆で二人を応援どころかどぎつく糾弾する合唱。ベレニスの手前、士官に取り締まりを命じ三名が一時拘束されるが、犬が吠えたのと一緒でただお歌うたっただけだからとお咎めなし。第五場、再び二人の場面…

 さてここで個人的ボヤキ、掘り下げるとやはりこの曲只者ぢゃないんで頑張て取り上げすがフランス語文献読んで解説知識準備したりヴォーカルスコアで確認したりしまするも結局音楽は耳で聴いてなんぼのもんぢゃなので、唯一の音源(YouTubeマルセイユのオペラ)を頼りにしてんですがコレがねえすいませぬ特に主役二人の声が長く聞くと頭痛が痛くなるんでちょと苦行と化して来た。この稿ペースが鈍りますけどどうかご容赦。

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