サー・グランヴィル・バントック(1868/8/7 - 1946/10/16)のウマル・ハイヤーム(1906-9)
私はこのジャケット写真だけでいいなあメルヘン❤️って思う口なんで基本悪口は言ってませんからね。
ウマル・ハイヤームの四行詩(ルバーイー)の詩集ルバイヤートは19世紀のイギリスの詩人、エドワード・フィッツジェラルド(Edward FitzGerald)による自由な英語訳で一躍世界に知られるようになりました。それらをテキストに三時間近くかかる全三部のカンタータの様な大作になっています。ソリスト三名、二群の大合唱、弦楽五部×2が左右に並ぶという超大編成オーケストラでこりゃ第一次世界大戦を機に絶滅するやつですね。
自然、人生、真実、酒、恋愛、自然…多彩なテーマの詩たちを何となく(失礼!)バランスよく並べてそれっぽく、詩人とそのツレと哲学者って配役で、中東アラビアンナイト的な曲調(ペルシャですが)をライトモチーフ(?)も駆使し…けどね、ストーリーをきっちり付けるのははなから無理な話なんでなんとなくの雰囲気で進められる訳ですがそれで三時間もつだろか?イヤ…(省略)
開き直って一歩踏みこみ勝手なプロットを捻り出して、歌詞と緩く結合してますって言いだし更にこれはオペラですって言い始めるならばもう立派なフィリップ・グラスのやり口。19世紀末イギリスのフィル・グラスと呼びたい。バントックの多作さやA Celtic(ケルト)交響曲、A Hebridean(ヘブリディーズ)交響曲、Pagan(異教徒)交響曲といったネーミングは、Low 交響曲、Heroes 交響曲、Lodger 交響曲と血縁関係かっつうくらいくりそつ(怒られるわっ両方から)。
まずは好漢ヴァーノン・ハンドレーの抜粋版。
三時間ですからね、あんまり真面目に聴くのは辞めといた方が(酷い言い草)、楽しい曲ですよ勿論。好漢の待望の全曲盤だし。エルガー「使徒たち」のオリエンタリズムの跡をちょっとだけ継いでんではないかね。