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アレッサンドロ・スカルラッティ(1660/5/2日 - 1725/10/24)のオラトリオ「最初の殺人 またはカイン」(1707) その2


 第二部カイノのレシタティーヴォ(アベルよここで足を止めよう)、アリア(小川はなぜせせらぐのか)。
 アベルのアリア(小川は答える)、レシタティーヴォ(木の葉や)。
 カイノのレシタティーヴォ(この心の衝動はもはや抑えることはできない。眠れ、それがお前の願いなら、永遠の眠りを眠るがいい)
 アベル(助けて下さい、おお神よ!)カイノ(神ははるか彼方だ)アベル(どうか慈悲を!)カイノ(そら、もう一突き)アベル(ああ、死んでしまう!)
 描写的なシンフォニア、クレッシェンドし雷鳴。
 神の声(カイノ、お前の弟はどこだ?)カイノ(存じません)
 神の声(何をしたのだお前は?実の弟が地の底から叫び声をあげているではないか…大地を弟殺しの罪で汚した以上農夫よ、お前に実りは訪れない…お前は流浪の身となるがいい)続いてアリア(恐ろしい怪物を見るように誰もがお前から逃げるだろう)
 カイノ(…私はただ立ちすくむしかないでしょう...)続いてアリア(おお私を罰からお守り下さい)
 神の声(恐れずに行くがいい)、アリア(お前に与えるのは罰であって死ではない)
 カイノ(生きつつ死ぬか、死につつ生きるか)、アリア(私は生を願い、死を願う)
 重々しいシンフォニア。
 ルシフェロの声(怖じ気付き恐怖に身をすくませているカイノよ、お前の勇気はどこに行ったのだ?お前は最初に生まれた子であり、この地上の最初の男の愛児、最初の殺人者であり諍いの最初の姿をこの世にもたらした男、最初の裏切り者、最初の弟殺しなのだ。…最初に地獄に堕ちた者...)、アリア(神の力を我がものとせよ)
 カイノ(おお地獄からの誘いの声よ…自ら命を絶つつもりはない)、アリア(父上、母上さようなら)
 エヴァ、アダモのデュエット(ねえあなた、かつて覚えのない痛みが…)、アベルの声(愛する父上、母上様)その声はアベル、一体何処に?
 アベル(…妬み深い兄により裏切られ殺されたのです。あの男はお二人から隔てられさすらいの身となりました...)、アリア(殺された息子のために泣かないで)
 エヴァ(もういいの、我が子の愛しい声よ)、アリア(優しさと慈愛に溢れた母として)
 アダモ(魂が死の仮衣を纏い)、アリア惨めに打ちひしがれた父親よ)
 アダモ(我が子の霊よ、悲嘆にくれる父親の心とはこうしたものだ。だが今は勇気を取り戻し...)、エヴァ(子どもを失った今)、アダモ(新たな子孫を私は願う)、アリア(命を落とした息子に涙を流しつつ)
 神の声(アダモよ、お前の願いどおり)、アリア(お前たちは罪を犯し…お前達に救世主を授けるだろう)
 アダモ(主よ、確かに聞きとどけました)、エヴァとアダモの喜びにあふれたデュオ(うれしい贈り物が)、終

 ロメロ・カストルッチ演出ルネ・ヤーコプス指揮で舞台化されたんすね。


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