アントニオ・チェスティ(1623/8/5 - 1669/10/14)
先日取り上げたシジスモンド・ディンディアのディスクのフィルアップはアントニオ・チェスティ のCantate でした。
11. Pria ch'adori(愛する前に)
二声のためのセレナータ、恋は深入りすると迷宮であるというロンド形式のデュエットに始まり、アルト・パートが盲目な欲望が羽ばたき焼かれると繋げる。ソプラノ・パートはクレタ島の迷宮、アリアドネへ。アルト・パートがアリアドネの嘆きを語り始め、ついにはデュエット、ヒロインの嘆きに語り手の詩人が唱和するかの様に締め括る。
12. Amanti, io vi disfido(恋する者たちよ僕は知っている)
http://en.instr.scorser.com/D/377973.html
ソプラノ独唱の短いですが技巧的な「戦争のマドリガル」の伝統に連なる曲、トランペット信号や号令が聞こえる。
さてチェスティのオペラ、Orontea(オロンテーア)がルネ・ヤーコプスの最初のオペラ全曲録音かと思います。
エジプトの女王オロンテーアに仕える小姓ティブリーノが刺客に襲われた青年アリドーロと(養)母アリステアを助ける。女王は一目で恋に。宮廷附き哲学者クレオンテの忠告で一度は諦めるが忘れられない。青年の持っていた黄金のメダルから実は彼がフェニキアの王子フロリダーノと判明、二人はめでたく結ばれるというのが主筋。喜劇要素の副筋も多数なのはバロック・オペラの王道。ヤーコプスの録音はちょうどいい大きさの劇場での親密な演奏と感じさせる。欠落しているらしい部分、例えば序曲など他人の作品を借りてたりするんですが、この序曲はまるでコラージュみたいな曲想の展開があって斬新、さすがヤーコプス。
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