アルベリック・マニャール(1865/6/9 - 1914/9/3)とジョゼフ=ギイ・ロパルツ(1864/6/15 - 1955/11/22)の交響曲第二番
A. M. の交響曲第二番ホ長調作品6(1893)
1. 序曲 充分に生き生きと
2. 踊り 速く
3. 変奏される歌 アンダンテ・コン・モート とても表情豊かに
4. 終曲 速く陽気に
二管編成。序奏なしに息の長い旋法的なメロディで始まる。無理は承知で同じ調のブルックナー交響曲第7番ホ長調(1884年初演)と比較したくなる。例えばこのどこまでも続くメロディやここぞでのゲネラルパウゼとかね。でももう既に独自過ぎる音楽、マニャールだねとしか言いようがない。あからさまな循環形式も採らなくなったし。個人的にはこの曲が入り口となってマニャールの交響曲に親しめるようになった(初めて聴けた第4番は一見さんにはちとハードル高かった思い出)。
元々は第2楽章が「フーガ(!)と踊り」で物凄く不評だったそうで(是非聴いてみたいが今の所叶っていない)、代わりの「踊り」も十分手の込んだ変奏と対位法的結合が結尾などにさらりと披露されてる。第3楽章のお歌はお師匠様のダンディ筋の高山系な感じ(と勝手に)、ロパルツとの個性の違い。息の長さと高潮する時の感動、どこまでも高みに。第4楽章もホントに他では聴いた事のない、ブルックナーとは別の星由来で「天から降ってきたような」独自の論理と民衆の踊りが融合された様な音楽。この曲に関してはプラッソン=トゥルーズ・キャピトルがどうしてもいちばん。
J.-G. R. の交響曲第二番ト短調(1900)
1. アダージョ・モルト - アレグロ
2. モルト・ヴィヴァーチェ
3. アダージョ
4. アレグロ・モルト
ニ管編成。交響曲のト短調はモーツァルトの二曲やチャイコフスキーの冬の日の幻想あたり、シリアスなイメージ。そのまんま生真面目な第1楽章、第一番よりはきりっと古典的な感じで進む。序奏のメロディや主部第一主題のベートーヴェン第九冒頭を思わせる跳躍下降音型が各楽章の主題として現れる。フィナーレの冒頭主題も巧妙な両者の組み合わせ、ただ大詰めに少々安易に長調化されて二つのモットーが再現されて締めるのは初期のブルックナーのようなデウス・エクス・マキナ感はあり。
初演の際自ら指揮をする予定が娘さんの急病で急遽ダンディがリハーサルを引き継いだが当日更に孫請け状態のピエール・ド・ブレヴィルPierre de Brévillが朝初めて総譜を見た状況で指揮したと伝えられる。マニャールによれば演奏に難があったせいもあり、盟友ポール・デュカスの評価も低かったりでその後草稿も行方知れずとなってたが、何故か出版社サラベールの倉庫に眠っていたのが再発見されたんだそうです。