朗読脚本「むかし」
僕はふと思うことがある。
年齢重ねていっても昔の自分と変わらないんじゃないか……と。
変わることだけが大切ではない。
でも変わっていきたい。
そんな自問自答をいつも繰り返している。
昔は虫取りや木登り、ザリガニ釣り、色々なことで遊んでいた。
無我夢中で自分が楽しいことをしていた。
今は疲れてしまって休みの時は外に出ずにゴロゴロしてしまう。
無我夢中になにかをするということもなくなってしまった。
あの時、出来ていたことが今となってはできない。
あの時、感じていた思いを忘れていく。
あの日見た景色もいつか忘れてしまう。
あの日見た思い出もいつか忘れてしまう。
僕はふと思い出す。
幼いころに大きな愛に包まれてたことに。
でもそれを忘れてしまっている。
年齢を重ねるごとに消えていく思い出。
新たに増えていく思い出。
僕は自問自答しながらまた新しい日々を生きていく。