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エースコンバット3を逐一語る#9

はい、こんばんわ。DRW、ダロウと申します。今回からミッション5を見ていきます。

まずはミッション前のムービーから見ていくんですけども。短い話なのでつい流してしまいがちですが、よく見ると興味深いことがありました。

まずはニューコム側の放送局が流しているニューコムの先端技術をアピールする番組ですね。振り返ってみると、ここまではゼネラル側の報じる内容が多く流れていましたが、ここにきて、ニューコムの宣伝が流れるわけです。
ニューコムも自分たちのメディアを通じて自分たちの技術力や、やってきた事業のアピールをゼネラルに対抗してやっている、ということがわかります。そうすることで支配者としての正当性を競う、この時代の戦争の一端が垣間見えます。

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ゲームの作り手側の意図としては、ここでニューコム側の宣伝の様子を見せるタイミングに意味があるような気がします。
つまり、ここまではゼネラル側の動きを中心に世の中の出来事を見せてきたと、ところがメガフロートにニューコム艦隊が集結して、UPEOに圧力を掛けることによる電撃的な停戦協定、という歴史を変える出来事の直後に、プレーヤーにニューコムの宣伝番組を見せることには、ゲーム世界における情勢の潮目、流れに変化があった、ということを印象付ける意図があるように思えます。

はい、次にパーク司令のメール。この発言ですが、

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これはちょっとおかしいとずっと思っていたんですよね。まあ初見では、さらっと流してしまって、現時点で停戦は破棄された、と言っているのだから、ああ破棄されたんだな、とか、逆にえっ、もう破棄されたの?とつい思ってしまうんですが、協定はこの時点ではまだ別に破棄されていません。停戦自体が続いているのはこの後パーク自身も言っていますし、この後のミッション通達文章でも「停戦を維持するためにも_」といっているので、停戦協定がまだ生きているのは明らかです。

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このミッションにおける両社の戦闘は、あくまで停戦条件の「隙」を見つけての交戦ですから、別にどちらかが停戦を破って停戦が無くなった、という話ではありません。ではこの発言は何なのか、ということなわけですが、それは停戦にもいろいろある、ということになります。

ウィキペディアで「休戦協定」の項目を見ると、

「休戦協定(きゅうせんきょうてい)あるいは停戦協定(ていせんきょうてい、Armistice)とは、」

とあって、その次に「双方が一定の条件や限定された期間や指定された地域内で敵対行為や暴力を一時的に停止する協定となる」と説明されています。

わかりやすく言えば、戦争している当事者双方が話し合って、停戦するための様々な約束をして、それをお互い守っている限りは戦闘しない、ということになります。逆にどちらかが約束を破れば、当然停戦は無くなりますし、破った側は立場が悪くなるわけです。

ゼネラルとニューコムのこの状況に当てはめて考えるならば、お互いになにがしかの条件でもって合意して停戦することにしたわけです。にもかかわらず、その停戦条件の中から、協定違反にならずに相手に攻撃できる「隙」をお互いに探りあって、いわば合法的に攻撃を仕掛けあって戦闘を継続している、ということになりますね。
一度結んだ停戦協定をあからさまに自分の方から破るのは体裁が悪いですから、協定違反はしたくない、しかし相手への攻撃は継続したい、お互いそのように考えて違反にならないスレスレを狙ってやりあっているというわけです。

しかし、そうだとすると疑問が浮かんできます。経緯はどうあれ、お互い納得して停戦したのにどうしてまだ戦争しているんだ、という素朴な疑問です。これには停戦には二つのパターンがある、というのが理由になります。

二つのパターンとは何か。一つのパターンはシンプルに当事者同士がお互いに話し合って、条件を突き詰めあって納得したうえで停戦に合意するパターンです。この場合、停戦の条件を当事者同士で話し合うという面倒なことをやってまで合意していることですから、お互いの停戦の意思ははっきりしているといえますね。このパターンならば、よほどのことがない限り停戦破りのは起きないでしょう。

もう一つのパターンは、当事者以外の第三者、つまり仲介役となるような大国であったり、国連のような組織であったりが停戦を呼びかけたり勧告したり、というパターンです。
これは要はいいかげんやめい、と言って、外から政治力や軍事力を背景に戦闘行為や戦争そのものをやめさせようとして、それに当事者が合意すれば停戦になる、というパターンです。
しかし、このパターンの場合は双方に実は明確な停戦の意思がない場合がありうるわけです。一応様々な事情、例えば国際社会からの目だとか、大国の影響力だとかを勘案して、一応停戦を飲んでおかないとまずい、というような消極的な意思での停戦もあるわけです。

ゼネラルとニューコムの停戦はこっちのパターンと考えると説明がつきますね。停戦を呼び掛けたのはUPEO、あるいは母体であるNUNで、クラークソン代表の働きかけで双方に停戦勧告が出され、両社がそれに合意した、というわけです。

とすると、お互いに停戦の意思が有って、納得して結んだ停戦でないことは明らかでしょう。お互い本音では停戦する気は全くないでしょうし、それでも協定を受け入れたのはニューコム、ゼネラルそれぞれの事情によるものです。その辺は#7に書いた通りです。そうなると、その停戦条件というのもいささか怪しいと考えたほうがいいでしょう。

まあどんなやり取りがあったかはわかりませんが、お互いまだやる気満々で、停戦条件は骨抜きにされたかなり緩い条件であることは容易に想像できるでしょう。まあ例えば、一部の地域のみから戦力を撤退させるとか、一部の空域のみ飛行禁止にするとか、または一定規模以上の部隊のみ戦闘禁止とか、まあパッと思い付くのはそんな感じですが、そういう、いくらでも口実を付けてボコれるようなザル条件だと思われます。

まあそれでも表向き、世間的には停戦、ということでこの戦争も終わるかな、という期待も生まれるでしょうし、NUNやUPEOとしては仕事をしたと世間にアピールできるでしょうが、そんなこととは裏腹に停戦協定を結んだと見せかけて相変わらず対立は続いていると言う訳です。

エリックのように内部にいるものとしてはその辺の事情というのはよくわかっているわけです。パーク司令の話を聞いたエリックの話はその辺の事情をよくわかっているからこその発言といえますね。

とはいえ、UPEOにとっては深刻な問題です。何とか交戦を止めてもらわなければ存在意義を疑われます。ゼネラルとニューコムにとっては形だけのザル協定だったとしても、停戦のために動いたUPEOとしては面目がつぶれるわけですから、相手がゼネラルであれ、ニューコムであれ、全力で先頭を阻止するしかありません。一見するとエリックの言うように、ニューコムにもいい顔しておきたいとか、場当たり的に見える対応も、一応の合理性のある行動という見方もできるでしょう。

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話を戻して、パークの停戦は破棄されたというセリフの真意ですが、このような背景を考えると、UPEO司令としての公的な立場に立つならば、破棄されたも同然、という風に発言するのはそうおかしくはないかな、といえるのではないかと思います。パーク司令はゼネラルに対しても、古巣のニューコムに対しても腹に一物ある人物ですから、本音ではないでしょうが。

そのようないきさつで、ミッション5「停戦協定破棄」が始まります。停戦の隙をついてニューコム基地を攻撃してきたゼネラル部隊を迎撃するミッションとなります。今までとは違ってゼネラルを相手にするという点で、大きな転換点といえますが、ニューコムはニューコムで同じようなことをやっているのでその時もSARFは出撃していると思われるので、特にゼネラルと敵対し始めたということではないと思われます。

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よそでは同じことをニューコムもやっているでしょう

こうして始まったミッション5ですが、次回はステージの内容についてみていきましょう。今回はこの辺でさようなら。



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