エスコン3時代の戦争とは
はい、こんばんわ。DRW、ダロウと申します。
この辺で、ちょっとわき道にそれて、エースコンバット3の時代の戦争はどんなものだろうか?というのを考えてみようと思います。まず、基本的なこととして、エスコン3の時代には国家というものは形式的には存在しているものの、ほとんど実質的な影響力を失っていて、軍事力についても、ゼネラルのような企業に委託しているような状態であることが想像できます。せいぜいUPEOのような国際組織の形で各国共同で治安維持組織をつくるのが精いっぱいで、しかし必要な軍備すらゼネラルに頼っている有様ですから、もはやこの時代には国家間の戦争というのは起こりえないと考えてよいと思います。
ではこのゲームで語られるように、巨大な企業同士で自前の戦力をぶつけ合って戦争しているのか、というと、恐らく、ゲーム開始時点以前にはそういうこともなかったのではないかと思われます。というのは、ゼネラルリソースがもはや国家の代わりに軍事的行動を肩代わりするようになり、それすらも経済活動として取り込んで世界中で事実上の支配権を独占するようになると、もはや戦争をする相手はいません。たとえ何ごとか地域間で利害対立があったとしても、それはゼネラル内での関係調整で済ますことでしかなく、直接戦火を交えることにはならないでしょう。
そんな状態が長く続き、見せかけ上ゼネラルによる平和が長く続いてきたことが想像できます。しかし、そういう状況には腐敗や堕落がつきものです。現状に不満を持つものも出てくるでしょう。そうしてゼネラルから飛び出した連中が作ったのがニューコムなわけで、水面下では軋轢が生じていたはずです。しかし、その争いはわかりやすい軍事衝突という形では現実化してはいなかった、そんな状況が長く続いていたところにニューコムが直接軍事行動に出たから、ニューコムが歴史を変える、などと言われるわけです。ですが、それ以前にもゼネラルとニューコムは対立していたのですから、何らかの形で争いはあったはずです。
ではそれはどうなっているか、というと、ゼネラルが目障りなニューコムに攻撃をしたい、と思ったら、まあいきなり軍を送り込むようなことはしません。そんなことをしなくても経済力でも政治力でも圧倒していますからね。まずは一般市民のニューコムへの反感だとか、不満だとかを煽るわけです。当然メディアを牛耳っているわけですから、容易いことです。たとえばなんか怪しいものを撒いてるんじゃないか、とか危ない実験をしているんじゃないか、とかですね。そうして市民にニューコムへの反感が高まるわけですが、でも、市民にはそれを持っていく場所というのはありません。この時代はもはや国家による法的な規制、というのはその対象である企業には、言うことを聞く意味がないですからね。「経済の力が政治や司法を駆逐した」ということはゲーム中でも語られています。
そうすると、ゼネラルが、では私たちが制裁を加えましょう、阻止しましょう、といって出てくるわけです。もちろん直接は手を下さないですね。UPEOのような国家の代表、みたいなところを動かして、形式上は正統な手続きによる制裁、という風にしてニューコムをやっつけるわけです。当然そこには息のかかった政治家や役人を送り込んでいるわけです。
当然ニューコムは気に入らないわけです。そうするとそれに対抗してまた実験をやったりして抵抗を見せるわけです。このような実験の実施はゲーム開始直後のムービー内のニュースや、ミッション3の化学物質の散布などで確認できますね。一方でニューコムはエレクトロニクス、宇宙開発やバイオ、ナノテク、後は通信技術は得意分野ですから、新たな分野を開拓して、得意分野ではシェアを伸ばして一般市民から評価を得ようとしているわけです。そんな風に経済活動と政治的な圧力と、プロパガンダとを駆使しながら、最終的には経済力を争うという、経済戦争とでもいう形で熾烈な争いが行われてきたと考えられます。
そういったカラクリは一般市民には表沙汰にならないように、お互いうまくやっていたのでしょうが、争いがエスカレートするにつれていよいよそれも無理になってきた。ゼネラルもたびたび対抗措置や牽制として軍事演習を行うようになり、しびれを切らしたニューコムが先に仕掛けた、というのがミッション1の話です。ミッション1前の緊急ニュース映像で語られた、ニューコムの公式発表にある、ゼネラルの違反行為、というのも公的機関の名を借りて行った制裁が、ゼネラルによる私的な制裁であった、というような主張なのだと思います。
と、こんな風にエースコンバット3の時代の戦争をゲーム中の内容から、主にゲーム開始前はどのように争っていたのかを想像しながら考えてみました。いかがだったでしょうか?
では、さようなら。バイバイ。
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