NHKニュースクリップ(2022 11/27)
またもNHK周りでは異常なことが相次ぎました。次期会長を巡って流言飛語も激化していますから、メディアにもその余波が現れていますね。NHKの転勤者用住宅の敷地内にある桜も“狂い咲き”をしていまして、きっと何か不吉なことがNHKに起きるのではないかと私の“期待”も高まります。
言い出したらキリが無いのですが、私が最も注目したのはこちらです。
日本の公共放送は今後どうあるべきか検討する総務省の作業部会にNHKから伊藤というオッサンが参加していました。
詳細については新聞や民放との利害関係が少ないimpressの記事が一番ニュートラルで分かりやすいので、忙しい方はこちらに目をお通しておくのが良いと思います。
公共放送なるものが必要だという前提の中、今のNHKも存続が前提となっているのが私としては気がかりでしたが、要するに、民放も新聞もNHKが「民業圧迫だ」と言いたいようでした。
民放はNHKにはリスクが高い投資をすべきだと言い、新聞はNHKがWebに進出してきたせいで有料課金が思うようにいかないとクレームする、といった具合です。
NHKの今後を考える上では、そもそも、NHKと民放と新聞というオールドメディア、いやNHK的に言えば“伝統メディア”体制がなぜ確立されたかを考える必要があります。
先の大戦への反省を踏まえ「NHKが仮にまた大本営発表だけを繰り返すような体たらくになったとしても、民放なり新聞なりの商業メディアが複数存在していれば、どこかは健全なジャーナリズムを発揮するはずだ」という考えで、戦後、日本のマスメディアは形成されてきました。
しかし、今の状況を見ると、NHKも新聞も民放も明確に政権の支配下にあります。そして、一般国民からはいずれもジャーナリズムの観点からは支持されていません。このままでは、有事にあって、完全に全マスメディアが国策宣伝機関になるのは確実です。
インターネット上の情報が信用ならないとかフィルターバブルだとかは本筋ではないのですよね。有事にあって、健全なジャーナリズムに基づいて「国民の知る権利」が守られるような体制作りこそが重要なのです。
私としては、民放・新聞の不甲斐なさ解消に加えて、NHKも二つに分けて競争させるくらいのことが要ると思います。番報一体とか言ってないで、もっと局内で競争させないと本当に画一的なコンテンツしか出なくなりますよ。
林メディア総局長はその職責を果たすだけの能力が無い
総務省の公共放送WGと同日に行われた記者会見も酷かったです。
「スポヂカラ!」のような不祥事が起きるのは「最終的な確認」の問題ではありません。むしろ「出発点」の問題です。というか出演者(主人公)の肩書きや主要なエピソードに事実誤認があったとしたら、それは提案票の時点の問題じゃないですか?
委託管理に問題はなかったか?提案票の吟味を適切にしたのか?構成にあたってストーリーを適当に作ろうとしなかったか?といったところが問題なのであって、最終段階ではなくて取材のスタートに問題があったとするのが通常の制作者としての見方です。
林氏には悪いですが、林氏には経歴を見ても全くもって放送の品質管理をする能力もマネジメント能力もありません。ただ与えられた原稿を無機質に読み続けることだけしかできないからこそ、あのポジションなのでしょうね。
紅白についての発言も異常じゃないですか?あの出演者と曲のラインナップについて「高齢者に新しい知識を仕入れてもらう機会を提供している」なんて説明が国民に理解されると思っているなら、もはや正常な認知・判断能力があるとは思えません。
前川氏や立花氏を会長に推す動き=現在の“会長の在り方”への批判
NHKがなぜこんなに異常になっているかといえば、経営委員会と会長が政財界の傀儡になっているからです。
とりわけ、会長の選任プロセスの雑さは目に余ります。本当に政権(自民党)の言うことに素直に従う人物を強制的に据えているだけです。
私は外部会長が入り始めてから今まで全部見てきました。特にアサヒビール出身の福地氏は放送局がどうあるべきかを理解している人物でしたし、JRからきた松本氏も事前の評判とは裏腹に、NHKがどうあるべきかを強く自覚して放送や人事への不用意な介入は謹んでいました。
対して、現会長の前田は全く酷いもので、自分が放送局のトップだという自覚すらありません。
会長ラジオも本当に終わってましたけど、最近私の元には前田の収録中の悪態についても内部からの情報提供が相次いでいます。
NGを連発したあげく「カンペが長すぎるから喋れない!」と拗ねて側近と一緒にロケを強制終了したことさえあったようです。
公共放送がどうあるべきか?など一度も考えたこと無いのでしょうね。だから全てが他人事で、人事が滅茶苦茶に破壊されようが、受信契約が過去最悪の落ち込みをしようがどこ吹く風なのです。
立花氏はもちろん、前川氏にあっても本当に会長になるようなつもりはないでしょう。しかし、こうしたニュースが報じられて拡散されることによって「NHK会長はどうあるべきか?」について世論が盛り上がってくる可能性があります。そうなれば、次期会長にも必然的に厳しい視線が注がれることになります。すぐには無理でも、NHK会長人事の健全化に繋がる可能性はあるので、私としては「○○さんこそNHK会長に相応しい」系のニュースには注視しています。
ま、一番はNHK職員自身が「会長はこうあるべきだ」と声を上げることでしょうね。自分達の親分に無関心って、その当事者意識の欠如こそが最も危険ですよ?