見出し画像

ピンク色の水の謎に迫る!

アダさんって日本人だったのね!

 インドネシアのスラウェシ島に現地法人KICを抱えるDari Kでは、農家と生活をともにする現地駐在員がいます。足立こころという知る人ぞ知る、Dari Kの名物社員です。年末からバレンタイン終了までを毎年日本で過ごし、百貨店でカカオについてのトークライブをしたり、はたまた店頭に立ったり……。
 その彼女がコロナの影響で今も日本にいるというのは、入社間もない私にとっては、ものすごくラッキーな(インドネシアの農園の方にとっては、明るい彼女が不在なのはとても残念なことですが)ことです。
 社員の一部は“アダさん”と呼んでいて、入社間もない私は、それが足立さんのことであるとは露思わず、「契約農家の方かな」ぐらいに思っていました。それが徐々に「アダさん=足立さん」と繋がっていったわけです。

足立さん1

アダさんは左の人ではなく、右の人です

 そのアダさんが以前、「サッパン」という木を煮出したピンク色の水を現地で飲んでいる投稿をFacebookでしているのを見て、ふとインドを訪れた時に空港近くのお店で出された不思議な色の水を思い出しました。
 同じものだろうか? 確かにピンク色をしていたけれど、投稿の写真にあったようにきれいなピンク色ではなかったために、「水道管のサビ?」と失礼にも疑い、従業員の高校生ぐらいの青年を問いただしたことがあったのでした。

パディムガム=蘇芳=サッパンウッド

 パディムガムという名称でインドでは呼ぶそうです。ケララという街で主に飲まれていて他では見かけないと、あるウェブサイトに載っていましたが、私が飲んだのはもっと大きな街中でした。
 20年ほど前のインドは、世界中を敵に回す勢いで核実験に踏み切り、ちょうど運悪くその場に居合わせた私は、窓が黒く覆われて外が見られない状態の空港に10時間程度足止めを食らい、日本に送り返されたのでした。

 それはともあれ、インターネットで色々調べていると、「サッパンウッド=蘇芳(すおう)=パディムガム」と日本語をサンドイッチ状態にして、同じものであることが判りました。蘇芳は、インドやマレー半島原産のマメ科の小高木なんだそうです(小高木ってわかりにくいですね。小さいんだか、高いんだか……)。英語のサイトでもアーユルヴェーダのハーブウォーターとして紹介されてました。
 血液の浄化や消化を助けるためにも飲まれているようです。

 なーんだ。錆びた水ではなかったんですね。なんせ私の幼い頃は、小学校の水道水の水も夏休み明けなんかは茶色かったのですが……。

 あまり話すと若い人の多い会社の中で年寄り扱いされるので、この辺でやめておきますね。
(写真・足立こころ/文・中崎薫)