婚活事件簿:空気を読まない男 ①
策略家ユウスケくんとの初デート後から、
なんとなく毎日のようにLINEで連絡を取り合っていました。
ちょっとチャラいけど、
人生初のEXILE系男子が新鮮でなんだかワクワク♪
今日のご飯はパスタ作ったよ!
なんてLINEが送られてくると、まるで彼氏が出来たかのような錯覚に陥ります。
会社帰りに
あ〜お腹空いたなぁ、、なんて最寄りの駅に着くと、
改札の向こうには大好きな彼と愛犬が待ってて…
わ〜!迎えに来てくれたの?って近寄ると、
「おかえり!今日の晩ご飯はエリエルの好きなナポリタン作るね!」
と買い物袋を持った彼。
やったー!と手を繋いで
愛犬と3人で仲良く家に帰る…♡
って妄想1,000,000回したよ。
毎日のように連絡を取っているとなんとなく気になってくるのは間違いなくて、
心理学でもあるように単純接触効果で自然と心の距離が縮まるのかもしれません。
私は気になる相手ができると、わりと積極的に連絡をするほうです。
相手のことをちょっとでも知りたいし、知って欲しいと思ってしまう。
この瞬間に、どこぞの美女が現れて私の気になる彼をかっさらって行くかもしれない
という危機感もやって来る。
ただし、相手とのテンポは合わせます。
返信が無いのに立て続けに送ったり、
早朝や深夜には送らないように気をつけていました。(常識ですが)
ところが、いるんです。
空気が読めない人が。
同じ時期にLINEでやり取りしていたケンイチさん。(通称:キツネ目のKEN)
彼の趣味は読書。
しかもガチの小説好き。
マッチングしたばかりの頃、
エリエルさんも読書が趣味なんですね!
どんなジャンルがお好きですか?
と聞かれ、
まさか
「漫画です!漫画喫茶大好き!!! 休日はずっと居られます♪」
なんて答えられないじゃないですか。
やべっ、ヘタに読書なんて選ぶんじゃなかった…
本当は漫画大好きだけど、あんまり婚活のアピールポイントではなさそうだしな。。と、ちょっと後悔しつつ
柔らかめに、
そんなに詳しくないですが、
小説を読んで非日常の世界を見るのが好きです。
ケンイチさんはどんな本がお好きですか?
というふうに、自分のことは濁して会話のキャッチボールをしたつもりだったんです。
そこから開花したキツネ目のKEN。
毎日のように 'KENの読書通信' が届くように。
〇〇という作家の△△は読みましたか?
あの作品は、彼の○#☆&~×%*»┰@_~*…
最初のうちは、
わ〜!面白そう。読んでみますね♪
なんて返信していましたが、
仕事も忙しくてなかなか読む機会がなく…
毎日のようにオススメを送ってくれるものの、
正直どれもあまり興味のないジャンルだったのです。
こんばんは
××さんの◽︎△は絶対読んだ方がいいよ!
あのシーンの感想をエリエルちゃんと語り合いたいなぁ…
などなど、挨拶のように送られてくる。
昼夜問わず彼の読め読めLINEは止まりません。
時差のある国へ出張中のKENから、
おはよう!
この前オススメしたあの本読んだ?
感想聞きたいな〜
こっちは夜中だ(寝てた)
読んでいないのに感想を言えるはずもなく。
だんだんやり取りするのが億劫になっていき…
2,3回のうち1回返信するかしないかのようなペースになっていきました。
そんなある日、
エリエルちゃんとのやり取り楽しいし、
そろそろ会えませんか?
えっ…?!
どの辺を楽しいと思った???
綾野剛の面影もすっかり消え去ったKENに、もはや会う気力はございませんでした。
なんて返信しよう…
それかこのままFOか…?
よし、返信せずに、FOに持ち込もう。
そう、私が以前ジャニーズ系ハルトくんにしてやられたFO(フェードアウト)大作戦だ!
そう目論んだ日の夜、
僕は〇日か、△日なら大丈夫!
エリエルちゃんはどう?
とKENから追撃が。
うう…
もはやこの人にFOは通用しない…!!
諦めた私は、別の作戦に出ます。
続く
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