触れたくて、ただ。
ただ、あなたに触れてほしいのです
きつくきつく抱き締められながら
望むのは愛してるの言葉だけじゃ足りない
恋に落ちると相手の心のみでなく
体も欲しいと思うのは男だけじゃなく女も同じなのですよ
あなたは酔ったときにだけ
1本頂戴と言って私の煙草を吹かします
その横顔に欲情を覚えるなんて
私はいやらしい女でしょうか
だってそのあとに交わすキスは
あなたと私、同じ味がするんですもの
そんなご馳走をちらつかせて
自覚もなしに私を焦らすあなたはとっても意地悪で
少年のように清らかです
ベッドで私を酔わせてくれるときのあなたは
ほんの少し眉間に皺を寄せている以外は
決して乱れたりはしません
もっと、もっと、獣のように私を貪って欲しいのに
あなたの理性はとても頑固で
私にそれを打ち砕くだけの魅力は残念ながらないようです
でも、ほんとは知ってる、気づいてる
薄明かりの中で、あなたの耳が赤くなっていることや
背中が徐々に汗ばんでいく様は
隠そうとしても隠し切れないものです
でもね、やっぱりあなたより正直なのは私のほう
真っ昼間だって、どこにいたって
あなたの眉間の皺を思い出してしまうだけで
体を熱くしてしまうのですもの
あなたに、触れたいです
あなたがくれる愛の言葉は私を生かすパンだけれど
たまにはケーキを食べさせて
ね、お願い?