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スパスタ3期の連覇に想うこと

私は今危機的な状況にある。

ラブライブが好きでシリーズ全てを追いかけたいと願った2024年。
奇しくも昨年末には異次元フェス、3月には甲子園、年末にかけてアジアツアーがあり、シリーズを超えた展開をたくさん体験することが出来て今もっとも熱い時期となっている。
…にも関わらず気持ちが入りきらなくなっている。

原因はわかっている。
ラブライブ!スーパースター!!の11話だ。
より具体的に言うなら連覇という結末だ。
ここがずっと引っ掛かり、スーパースター、延いてはシリーズ全体を全力で楽しめなくなっている。

そこで、一体何が引っ掛かっているのか、その理由を探り、自分の中に落とし込むことでこれを乗り越えていきたい。
これはその思索の記録だ。

放送開始してから周囲の友人に「連覇はしてほしくないかな」と言ってきた。

連覇という物語は現実に起こると大偉業なのかもしれないが、悪い言い方をすると作られた物語であるアニメでそれをやると、出来すぎた展開に白けてしまうのではないか、という疑問が私にはあった。
さらに言うと、勝ち負けが明確な競技(例えば陸上競技や球技など)であれば、その競技展開をしっかり描くことで連覇への苦難やその克服を感じることが出来ると思う。
しかし残念ながらラブライブは、採点基準であったりルールであったりが曖昧でそこを描くことができない競技なのである。
これではそこに至るまでの競技の熱量がなく、結果として連覇が手に入るだけ、お飾りの連覇という結果になってしまうのである。

だが、これは2期の優勝、さらには無印もサンシャインも同じことが言えてしまう。
しかし私自身、それらに対して引っ掛かってはいない。
これらの優勝と今回の連覇、一体何が違うのだろうか?

過去の作品に対しても優勝ということにそこまで思い入れがあったのだろうか?

思えば、いずれもラブライブ優勝を目指す物語ではあるものの、各シリーズではそれぞれ

  • 無印1,2期

    • 学校が廃校の危機である

    • ラブライブで優勝して学校の名を上げることで入学者数を増やす

    • 入学者数を増やすことで廃校を回避する

  • サンシャイン1,2期

    • 途中までは無印と同じ

    • 廃校確定からは学校の名前をラブライブの歴史に刻む

  • スーパースター1,2期

    • 始まりは可可の憧れ、みんなの個々の想いで参加する

    • 1期東京大会で敗退した時の学校のみんなへの恩返し

という目的でラブライブ優勝を目指している。
この目的は各校の事情と合わせてしっかりと描かれていて、競技自体を描くことが困難なラブライブにとってはカタルシスへと繋がるタメを描くために重要な要素だ。
そう考えると、そもそもラブライブ優勝は最後のトリガー、手段でしかなく、そこから得られる目的こそが重要になってくる。

優勝する目的が重要だ、と認識したところでスーパースター3期に目を向けてみよう。

3期の目的は

  • Liella!が11人でひとつになること

  • 2期生、3期生へこれからのLiella!を継承すること

と捉えている。
3期の序盤は3期生それぞれが持つ課題を解決し、Liella!としてDazzling Gameを以ってひとつになっていく。
後半はきな子を生徒会長に、2期生、3期生で多くの曲作りをしている。
その際に、これからのLiella!は2,3期生で作っていくことを意識した1期生の立ち回りをしていて継承は順調に進んでいるようだ。
実際、このあたりの展開や演出は本当に大好きで、神アニメを確信していた。
だが、ここまで考えてふと気づいた。

Liella!が連覇する目的は何だろう?

11人がひとつになることはDazzling Gameを以って達成し、Liella!を継承することは2,3期生で曲作りや方向性を決められるようになることで達成できてしまっている。
いずれも連覇しなくても達成できてしまっているのだ。
なるほど、これだ。

私の中で、Liella!が連覇することで得られる目的がわからないのだ。

だから連覇が蛇足にしか見えなく、ここまで素晴らしい展開を台無しにしているように見えてしまっているのだ。

思えば3期の冒頭から連覇を目指すという話はたくさん出てきた。
しかしなぜ連覇したいのか、というところはあまり描かれていない。

「前年優勝したのだから次は誰もやったことのない連覇だ」

もっともらしい理由ではある。
だが、優勝すること自体は手段でしかなく、もちろん連覇であってもそれは手段にしかならない。
この連覇を通して何を得たいのか、その目的がはっきりしていないのだ。

さらに、1期生がいる間に連覇までしてしまったことで、これから2,3期生といずれくるだろう4期生に対して一種の呪いも残していないだろうか。
もちろん勝負事である以上はどこかで連覇は途切れる。
それを目指す重圧と、達成できなかった時の落胆を後輩たちに残しているのである。
この点で、私が望んでいた展開のひとつとして、Liella!が準優勝となり連覇を逃し、1期生からまずは2期生に次の優勝を、そして3期生に連覇の願いを託す、といった形だと綺麗に収まったんじゃないかと考えている。
後輩へ願いを託すことは未来へ繋いでいくこと。
繋がる、結ぶをテーマとしているラブライブ!スーパースター!!の本懐ではないかと。

連覇の目的がわからないことに引っ掛かりを覚え、気持ちが入っていなかったようだ。

ではこの引っ掛かりをどのように落とし込もうか。

ひとつは連覇は蛇足だったと割り切ることだ。
勝負が時の運である以上、負けることは多いだろうが勝つことだってある。
連覇でも良いし、連覇じゃなくてもいい、たまたま連覇だっただけだ。

もうひとつは私がまだ知らない連覇の目的を探ることだ。
私は所詮通しで1度見ているだけだ。
見逃したシーンも多いだろう。
当初から連覇してほしくないという想いもあったせいで、目的に繋がるシーンなどを感じ取れていないこともあるだろう。
結末を知った今、改めて1話から見直すと気づくことも多いはず。

よし、やることは決まった。

幸いにも今年の休みは長い。
年末年始はラブライブ!スーパースター!!漬けといこうじゃないか!

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