![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/151223902/rectangle_large_type_2_7b96073da9b6612614b85cdc157bcea0.png?width=1200)
明晰夢(時間軸)
姉2、3と一緒にいる。
姉2がわたしたちに思い出話をしているのだが、目の前にはその光景が広がっている。詳しい内容は覚えていない。姉の生徒たち、姉の友人。生徒たちはバレーボールかバスケットボールのチームメンバーで、姉はそのコーチをしている。何か大きな試合(トーナメント)があるらしく、その練習に一生懸命だ。が、姉の話によると、そこで何かトラブルが起きて、2回戦か3回戦敗退、とにかく優勝することは出来ず、その年は苦い経験のままシーズン終了だった、ということだった。
姉の友人というのがチームメンバーより1、2歳しか違わないような少年だった。姉は名前を呼んでいたが、もう覚えていない。姉曰く、彼が彼自身の体験から、生徒たちを引っ張ってってくれるんじゃないかな・・とかなんとか。その様子を、わたしと姉3は実際にそこにいながら見ている。
男の子が廊下を走りながら体育館へ向かっている。わたしは姉3に「これは夢なんだよね」と言ってみた。姉は、うん、と頷き、「でもどうしようもないよね」と言う。
夢の中で夢を自覚したら、目が覚めてしまうかもしれない・・・そんなことを思いながら、でも、なぜあの男の子は夢の中で生きていられるのだろう?と、不思議に思う。彼の年齢が時間軸に合っていないのはおかしい?おかしくない?考えれば考えるほど、わからなくなり、こちらまでおかしくなってしまう。
「じゃぁあの男の子に訊いてみるよ」と姉に言う。「夢だってこと、気づかれないように訊くから」
わたしは廊下を走っている男の子に声をかけた。
「ねーねー、今って何年?1900・・・何年かな?」
男の子はわたしをじっと見て、変なことを聞くもんだ、という顔をして何も言わない。あっ、西暦がわからないのか!?そこでこう聞き直した。「昭和・・何年だっけ?」
男の子は、あぁ、という顔をして「昭和17年!」とだけ言って駆けて行った。
「わかったよ!昭和17年だって〜」
姉のところへ戻り、そう伝えた。が、伝えた途端、怖ろしくなってきた。昭和17年って、あり得なくない?それって随分前だよ。戦争終結前だよ、、、、姉、生まれてないよ、、、わたしたちもみんな、生まれてないよ、、、
姉3は、そら夢の中だし・・と言いかけたが、彼女もまた不安な顔になった。どこかですり替わってしまったのか?そう言えば、姉2の姿がない。誰かの夢に入り込んでしまったのかもしれない。どうする?このままだと帰れなくなるかも、、、夢から帰れなくなるかも、、、
昭和17年、17年、、、、何度計算してもやっぱりあり得ない設定だ。自分の誕生年を思い出し、さらに怖ろしくなってしまう。
03/02/2017