ショートショート「心の気持ち」
僕は心の気持ちが見える.
声が聞こえるのではなく,気持ちが見えるのだ.
例えば,嬉しいと思っている人だと,心がぴょんぴょん跳ねている感じだ.悲しいと思っている人だと,心に雨が降っているような感じだ.
人の心を見るのはとても楽しいが,ごくたまにすごい暗い心を持った人がいる.その人を見ていると,自分までもがその心に引きずり込まれてしまうのではないかと思うくらいの気持ちになり,軽いうつ状態になってしまう.
逆に,すごい嬉しい心を持った人に会うと,自分まで嬉しくなっていい気持になる
生れた時から心の気持ちが見えるから,普通の人がケンカをしているのを見ると,なぜそうなってしまうのか不思議な気持ちになってしまう.
僕は,普通の人が体験できるようなことができないけど,僕にしか体験できないことがたくさんあるから,この心の気持ちが見えることは自慢できるものだ.
長所を短所と間違えないように.その人しか持っていない長所を長所として自慢できるように.
僕は僕を否定しない.それが人と違っていても,自分を正常に戻してくれる言葉だ.