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nekonosara
半笑いのポッキーゲーム【毎週ショートショートnote】
酔っ払い。同級生。ポッキーゲーム。
「カラオケの採点が悪かった2人、ポッキーゲーム!」
それがまさか、拓海とわたしとは。
この盛り上がりに拒否はキツイ。
お酒が飲めない分、他の人より雰囲気に敏感なところがある。
半笑いで、チョコの部分をくわえた拓海。
ズルい。はじめるかはわたしにかかっている。
「いきまーす!!」
そんなノリでポッキーを食べる。
カリカリわざとチカラ強く音をだし、直前でやめる。
みんなの半笑いが歓声になり
「イェーイ」
なんだよ。イェーイって。
でもわたしたちは、壊せない。
翔太のように人を笑わせるこもできない。
歩のように、行動力で人を引っ張ることも。
できないから壊せない。
わたしたちは半笑いで生きていく。
だれも傷つけずに。
コンビニを後にし、
「何あのゲーム」
拓海がわたしの手を握る。
「えー運命感じたけどね。先週、キスした人と何十人もいる中カラオケの採点が最もひどい2人だってこと」
ガリガリくんソーダ味が少しとけて落ちた。
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