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洗練されたパブリックドメインの品質【シェーン】映画♯115


シェーン  1953年/アメリカ

【ストーリー】



南北戦争後、ワイオミング州に広がる大高原では開拓農民のスターレットやその人々と牧畜主のライカーらが対立していた。そこに現れた流れ者のシェーンはスターレット一家と仲良くなる。よそ者のシェーンをよく思わないライカー達は暴力で追い出そうとする。

【解説というか、レヴューというか、】

「シェーン、カンバーック」の名台詞。

喧嘩が強い漢はカッコいいみたいな西部開拓時代。ストーリーテリングは母子。彼らの会話で視聴者に語りかける。シェーンは僕たちのヒーローなのか、それとも臆病者なのか。テーマはどちらに転ずるのか「境界」の部分を描いています。



どう見ても流れ者のシェーンに惹かれてる奥さん。シェーンもそれに気がついている。だけど一線を越えることは決してない。その境界を超えたら友情も家庭も潰れるから。そして、敷地の境界を巡って牧場主は農民を追い出さそうと争っています。殴り合いのいざこざは遂に殺人にまで発展。大切な人を守る為、銃を手にするのかしないのか。ここでまた境界が描かれます。手にしたら、引き金を引くのか引かないのか。引くならそのタイミングはいつなのか。その一瞬を捉えているのがこの作品。
境を越えたら、それまでの生活は全て変わってしまうのだから。



常に判断を間違えないでいる慎重なシェーン。軽薄な言動は大事なものを無くす行為だと知っている。その才覚を見せびらかす事なく、必要な時にだけ技術を活かす。英雄とは無意味な悲しみを最小限に抑えることの出来る人間なんだな。

【シネマメモ】



「マッドマックス2」について調べていたら監督のジョージ・ミラーは西部劇の古典的なヒーロー像を取り入れる為「シェーン」をキャストやスッタフに鑑賞させていた事が分かった。昔から気になっていた作品なので今回じっくりと観賞。著作権保護期間が切れた作品も多く置いてあるアマプラ。
ふとしたタイミングで観られるのでほんとありがたい。パブリックドメインだが、洗練された品質に感動。まだまだ大きな価値があるとなと思った。


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