相貌失認かASDか

少し遡って、恐らく以前調べた頃に新しかったものを。その頃に既読と思われる。

小西海香(2016).発達障害における顔認知

相貌失認の略称について、
先天性相貌失認(Congenital Prosopagnosia:CP)あるいは発達性相貌失認(Developmental prosopagnosia)
と紹介の上、CPの方を採用している。この頃はメジャーだったものか。

相貌失認の2例の具体的な経歴は、覚えのあるエピソードで埋め尽くされている。顔以外の情報で補完して他人を識別しているというのは、感覚的には信用できる。

さて、興味があるのは「相貌失認」と「ASDの顔認知」の違いである。
自身の発達障害を疑うものにとって、顔が分かりにくいという現象を「相貌失認」と捉えてよいのか、「発達障害由来」と理解すればよいのか。

顔再認課題の結果、
「CPではターゲット顔の見落としが多
く,顔を学習(記憶)するのが困難であるのに対し,ASD ではターゲット顔とターゲット顔以外の顔とを誤認することが多く,顔を正しく学習(記憶)することが困難である可能性が示唆された。」とのことである。
これを真として読んでみると「誤って記憶するのはASDのみ」となるだろう。

視線走査の検討については、著者が述べているようにデータが少なくわからない。

CPは顔のパーツの特徴とパーツの配置を全体的に処理することが障害されていると考えられているが、ASDではそうではないとの報告があるそうだ。
では何故ASDが顔の認知を苦手とするのか、特に誤認が発生のであれば、それは何故なのだろう。

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