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息をする

 金木犀が咲いた。
 これから暫くは、沢山息をしないと勿体無い。

 中学生くらいの時から、人は絶対に孤独なのだと思っていた。
 それを忘れかけていたけれど最近、思い出した。
 思い出してから、何も言えない気分になり、
でも押し黙っていると死んでしまう気がした。
 昔のわたしはそういう時によく自分を殺していた。


自分を殺すということ


 幸せな気持に包まれて過ごし、
沢山傷付いて沢山愛し、愛され、過ごしているうちに、
わたしはわたしを殺すことが減り、
孤独の感覚を忘れていった。
 けれど思い出してしまった。

 もう自分を殺すことには気が進まないので、
息をする場所を作ろうと思った。

 言いたいことを言い、気持を整理し、自分を整える。
 言葉はその一助になってくれる。
 時間はわたしを待ってくれる。
 どうしようもなくどうしようもない時の為の場所とする。

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