アフタヌーンティー・ストーリーその2
アフタヌーンティーが好きだ。
どのくらい好きかというと、
3段のアフタヌーンティー用スタンドを買って、家でスコーンやお菓子を並べてニヤニヤしたい、と妄想しつつも、でもそんなスタンド、家のどこに置くんだ?と、ふと正気に戻ることを繰り返すくらい好きだ。
正式なアフタヌーンティーは3段で、下から食事系、スコーン、デザートと3つの皿に分けられているそうだ。
しかし、前回紹介した今は無き澤井珈琲カフェのアフタヌーンティーのようにそれが2段に簡略化されていてもアフタヌーンティーとして全く問題ないと思う。
というか、本来なら、昼食をしっかり食べているので、そのくらいの量で十分なのだ。
今回もそんなシンプルなアフタヌーンティーを紹介する。
神戸珈琲物語のアフタヌーンティーだ。1500円ほどだったと思う。
公式写真では3段のスタンドに飾られていて見栄えがするものとなっている。
しかしこれは2人分の写真であり、実際には1人で注文すると、1枚の皿にぎゅうぎゅうに盛られてくる。
この雑多に盛った感じが街の珈琲チェーン店っぽいが、皿が1枚だったとしても、そこに夢が詰まっていることに違いはない。
子供の「お子様ランチ」のような存在、そう、アフタヌーンティーは「大人様おやつ」だ。
神戸珈琲物語、という店名の通り、神戸が本拠地で市内に複数店舗があるのだが、いつも行くのは三宮地下街「さんちか」の店舗だ。
都会の地下だからいくらか窮屈な感じはするが、席数は多いので
一杯で待っていてもそう長く待たされることはない。
そして、何故か広島そごうの上の階にもあって、ここでも何回か食べたことがあった。こちらは窓もあり開放的な空間だったのだが、ここも今は無き店になってしまった(2023年8月閉店とのこと)。
アフタヌーンティーの内容は、
選べるケーキ、スコーン、一口ビスケット、サンドイッチ4切れ、とシンプルで最低限のものだ。
スコーン用にクリームとジャムがついてくるので皿が満員御礼となる。
もちろんコーヒーか紅茶がついてくる。しかもポットで供される。
珈琲店なのでいつもコーヒーを注文する。
岡山からだと神戸空港が比較的便利なので、神戸空港を使うことが多い。
新神戸から三宮へ移動し、これからポートライナーで空港へ向かう。
でもさすがにまだ早すぎる、という時にここで時間を潰しながら小腹も満たす。場所も、量も、値段もちょうどいいのだ。
一人で行く場合でも、広いカウンター席があるので安心だ。
ただ、カウンター席は目の前に通路に面したガラス窓があり、地下街を行き交う人々と頻繁に目が合う。
そりゃ、歩いている人の立場で考えたら、
「お?このコーヒー屋、アフタヌーンティーがあるのか」
「おっさんが一人でアフタヌーンティーをしているぞ。珍しいな」
みたいな目で覗きたくなるよなあ。
最初の頃は、覗いてくる多数の視線に少しビビッてしまっていた。
思わずスイーツ類を隠すようにしてしまう。
コーヒーを飲んでいるだけなんだけど、何か?・・みたいな顔をして。
今は堂々とケーキを食べられるけどね。
そして店を出て気がつく。店の入り口のすぐ横に食パン売り場が併設されている。
「神戸気質」と書いて「コウベゴコロ」と読む系列店だ。
相川七瀬の曲にあったなあ。
♪コウベゴコロ あてもなく今
視線におびえているわ
ガラス越しの席でそっとケーキ隠してる~