七草を前に
おじたんの仕事も今日からスタート。区切りがよいので、カレンダー上は一日早いが七草粥にした。暦は自然との兼ね合い、人の気持ちや身体の区切りと言い訳をして。
購入した七草セットも新鮮なうちに調理したからか、例年よりも香りと食感を楽しむことができた。本来は、田畑に生えるハコベやナズナを採ってきて粥に入れていたのだから、七草の真骨頂は鮮度なのかもしれない。
おじたんの起床に先駆けて、お弁当初、おやつのおからマフィン初を作る。キッチンの匂いがいつも通りになり、ボウルや型などが洗い物干しに並ぶ。ちょっと久しぶりで緊張しつつも、季節のものをフィリングにするのがマフィン作りの楽しみ。今回は柚子ジャムとごま餡。年末に作った中華まんの残り物だけれど、まだまだ大丈夫。冬らしい出来上がりににんまり。
思いの外手際よく作業が進み、明日作ろうと思っていたクッキーを前倒しで作ることにした。
年始早々、願えば叶うかの如く、リモ飲み友だちから酒粕が届いたのだ。ペーストタイプの酒粕でしかも辛味の味が強いのが珍しく、お菓子にも煮物にも重宝していたので、嬉しくて小躍り。
当人もこの酒粕がお気に入りらしく、今回は自分の分も購入したらしかった。
そのお返しにと言うには粗品で申し訳ないのだが、その酒粕を使った酒粕クッキーを作った。
酒飲みさんなのでビールでも日本酒でもあてにしてもらえるように、固めで甘さはほんのりに仕上げる。キッチンが酒粕の香りに包まれる。焼き菓子のクッキーは水分量が少ないため、贈り物にしても腐敗の心配も少ない。自分で消費する分には、厚さや大きさが不揃いでも、どんな入れ方をして保存してもいいのだが、プレゼントとなると少しだけ見栄えを張ってみる。クッキーの醍醐味は1枚の均一な味わい、歯ごたえ、大きさ、焼き加減と思っているのでなるべくそれらが揃うように選び、包装する。
そうこうしているうちに、ハーちんとコムを連れておじたんが起き出してきた。
休みが長かった分マンデーブルーが大きいかと思えば、さほどでもなさそう。今年は日々、特別なことはしていないが、だらだらもせず、毎日歩き、登り、各々身体を動かし、何かを考え、話し合い…と時間いっぱいを使い切った。それ故に、日常へ戻るグラデーションも綺麗になっていたのだろう。もうすぐ、1月も1週間が経つところ。
今年のキーワードはたぶん、“伴に”。目的、目標は多少違えど、見据えているもの、方向は一緒だ。一緒に考え、一緒に試してみる。共有して、工夫して、内観し合って、相互補完する。暮らし方からそう基盤に据えることで、この考え方が山登り、クライミングへも繋がっていく。
自分自身の努力や改革をしながらの自立性を持った伴にの生き方を探る年になりそうだ。
そう感じたのであれば、まずはあれこれと新しく手を出すより、持てているもので少しずつ革新。
私はヨガを通して、身体一つの動かし方、連動のさせ方、体幹のバランスの取らせ方を強度をつけながら試してみる。まだまだバリエーションは尽きない。よかれ、身体に合っていると思って食べているものだって、今までよりもっと的確な量とものを選べるはず。そこはおじたんの方が切実で、忘年会明けから今日までしっかりプラントベースで胃腸を休めてきた。わずか1週間でも、おじたん体内の腸活が進み、この流れは週末継続となった。今年の目標の一つを達成する気合いが違う。これは変化が楽しみだ。
私もうかうかしていられない。
そんなことを思ったり、実践しながら過ごしたお休み後半は筋肉痛に苦しめられている。これを結果とするなら良し、身体は反応しているのだから。
お互いに、見ていないようで見ていて、いい刺激になっている。相乗効果。背中を押しつつ、相手のためにも無理をし過ぎないバランスを取る。独りの努力も大事だけれど、一緒にする努力も大事で知らなかった自分を知れる。
この先、毎日いろんなことは起こる。予定通りにもならなかったり、思った以上に大変だったり。それに対する莫大な不安は消えないけれど、それと同じくらい毎日の変化も怖くないと思えるようでいたい。変化の分、自分を修正してあげられるようで居られれば、きっとそれは可能なはずだ。
今、私にはそれを可能にしてくれるものや人がいる。それらを大事に、日々是好日。
