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受検結果を待つ、親の心の内①
長男。
受検が終わった日は、記録的大雪のため、さすがに在宅でした。 しかし、翌日からは遊びまくり。 受検の緊張から解放され、心から楽しんでいる様子でした。
一方で、私はというと、仕事や小学校の卒業式に向けて忙しく過ごしていました。 しかし、ふとしたタイミングで時間が空くと、どうしても「結果」のことを考えてしまいました。
そうなると時間の流れはカタツムリのように遅くなり、 息苦しくなるばかりで。
当時は今のように私立受験との併願が一般的ではなく、 単願で臨む家庭が多い時代。 我が家も同じでした。
もし結果が出なければ、地元の中学校へ。 それ自体は親子ともに前向きに考えていました。 それでも—— 「本当に受検させてよかったのか?」 そんな後悔が、どうにもならない形で浮かんでは消えました。
「あんな倍率で受かるわけがない」 「身の丈に合った私立にしておけばよかったのに」 そんな陰口も耳に入りました。
受検日まで、ひたむきに頑張ってきた長男。 その姿を思い返すと、家族が寝静まった後に 勝手に涙があふれてくることもありました。
親である私たちが「受検する」と決めた以上、 その責任はこちらにあると思っていました。
とはいえ、もし結果が出なければ—— 必死にサポートしてきた自分の努力も報われず、 周囲には「それ見たことか」と失笑される。 そんな絵ばかりが頭に浮かびました。
虚無感に襲われるのは確定。
でも、「不合格の覚悟」を今しておかないと。 当日に結果を受け止める長男を、 私自身が受け止められない。 そう考えました。
来る日も来る日も、不合格のシミュレーション。 経験したことのない苦しい作業でした。
それでも、「ここまでが親の役目」と言い聞かせました。
もしも、この覚悟が無駄になったら—— それはきっと、とても嬉しいことなのだろうな。
そんなことを、ぼんやりと考えながら 結果発表の日を待っていました。