男は何も考えてない

Aちゃんと自分の地元で会った時のこと。

昼過ぎから合流して、2人で行きたかった店を回って自分の用事に少し付き合ってもらった。

夜は安くて人気の店に早めに行った。帰る頃は満員だった。

彼女も喜んでくれて、美味しいを連発だった。気に入って次の日も連続で行くことになる。

お酒は飲まないので滞在時間はそこそこにホテルへチェックインして、繁華街へ繰り出した。

Aちゃんおすすめのご飯屋で炭水化物を取り、その後スイーツバーに行った。
スイーツバーは、おじさんでは絶対に行くことはない店だ。女性とカップルだけだった。
まあまあ食べた。

その後、広場のベンチに少し座ってゆっくり話をした。会社でも飲みに行く場所なので

「知り合いに会うかもね」
「もう見られてるでしょ」
「設定をキャバクラの同伴にでもしようか」
Aちゃんはケラケラ笑って言った。
「同伴って手を繋いだりすんの?」
「知らない」
同伴したことないので、こうじゃないかとふざけながら架空のやり取りをしたりもした。

その後はバーに付き合ってもらい、名物のカクテルを飲み煙草を久しぶりに吸った。
彼女は煙たがったが、そういう気分だった。
少し吸わせてみた。初めてAちゃんと飲みに行ったバーでも同じことした事を思い出した。

年の差があるのでそのジェネレーションギャップのネタを結構話すのだが、
「私は、おじさんと思ったことないよ」
「そうなの?ありがとう」
「言動が小学生と思ってる」
「このガキめ」
しょーもないことを言いながらバーテンダーのカクテルの蘊蓄を聞きながら過ごした。

会計を済まし、ホテルへ戻った。
翌朝、早めに起きて公園行くことになり、その日はすぐに寝た。

朝は欲に負けて色々してしまった。今さら性欲だけではないが、まだそれを期待して会ってる気がする。性欲ってそんなになくならないもんだな。

楽しみにしてた散歩ができなくなって、Aちゃんは少し怒ってた。でも後に引きずらずよかった。

エアコン入れてたが、俺の汗がすごすぎたので一緒にシャワーを浴びてお互いの髪を洗った。
そして湯船で流行りのユーチューブ見てあーだこーだ言って、のぼせる前に上がった。
彼女の髪をドライヤーで乾かした。
適当に乾かしてると指示される。
細く綺麗な髪だった。女性って髪を乾かすのも大変だ。
その間にAちゃんがメモに俺の似顔絵を描きだした。まあまあ上手い。

そうこうしてると、結局チェックアウトが昼になった。

近くでランチして、少し暇つぶした。
近くのカフェは偶然にも彼女が行きたかったイベントがあっていてテンション高めだった。

昼間は一旦それぞれの用事があるので別れた。

夕方から夜にかけて彼女が地元に帰るまでに昨日の店でご飯を食べることになった。
合流してから少しお腹を空かせるため近くの海まで歩いた。
その後、俺の予定を済ますまで1時間くらい車で待ってもらった。

振り返ると忙しいな。
ご飯は、相変わらず美味しいと上機嫌だった。全く同じ席で、店員も同じ服装だけ違う。

次の日は朝から仕事なので駅まで送って新幹線の時間まで車の中で話そうよと、他愛のない話をした。
そしたら一本乗り過ごしていた。そういう時間もいいなと思ったが、それでも別れ際はあっさりしたもの。バグとキスはした。

別れて思い出した繁華街での会話。
「男の人って何も考えてないよね。見られたらどうすんの?」
「うん、別に大丈夫でしょ。仕事、会社関係とかで若い女の人と歩くこともゼロじゃないし。でも2人きりはないか、そして今日は私服だった。やべ」
「やっぱり何も考えてないよね。」
「そうかも、でもAちゃんは考えすぎだよね。」
「考えすぎも良くないよね」
「足して割るくらいが丁度いいね」
地元の駅でキスしたり、ハグしたり手を繋いだり、確かに何も考えてなかった。

冷静になると今更何やってんだろうと思うこともあるが、
こんなことは人生でもうないし、理性は別のことに時間を使うべきだと思ってる。
それでも出会いとは不思議なものだ。

俺が同じくらい若くて独身だったとしても、そうならないと思う。今がAちゃんと会うタイミングなのだろう。


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