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鳥獣被害対策研修

農林水産省が主催している
鳥獣被害対策地域リーダー・コーディネーター等育成研修
に参加してきました。
https://www.cho-jyu.jp/kensyu2024/index.html

大阪会場と宮崎会場にお邪魔しましたが、どちらも全国各地から受講者が来ていました。
全国的に、特にシカの被害が深刻なようです。


研修は座学と実習からなり、座学で学んだことを実習で復習したり実践したりします。

座学

・鳥獣被害対策の基本的な考え方
・現状把握のための調査方法
・被害程度の把握と対策の選択
・防護による鳥獣被害対策
・わな、銃器による捕獲手法
・業務の計画から評価

鳥獣対策の計画の立て方や被害の評価を体系的に学ぶことができ、現場で作業するときにも役立つ知識が身に付きます。

実習

シカの痕跡を探して山を歩きます。

痕跡としては、食痕・寝屋・獣道・角とぎなどです。


樹皮がはがされている


シカによる角とぎ跡


ネット柵とシカの頭蓋

上の写真は、ネット柵をシカが噛み切る様子です。
シカは奥のほうにある歯を臼のように使ってネットを噛み切ります。
ネットの網目がより細かいと、奥のほうの歯にネットが届かずに噛み切られる確率が減るという話でした。


シカを獲るのも被害対策としては大切な方法の一つです。
仕掛けてあるワナを見学させてもらったり、実際にワナを仕掛けもしました。

箱罠の様子


自分たちで仕掛けたワナを作動させてみる

くくりワナと呼ばれる、シカが踏むことによって作動するワナを山の中に設置しました。

どこをシカが通りそうか。通る道を見つけたら、どこにシカが足を置きそうか。
探してみるとなかなか条件のいい場所がない。

何度かやっていると、シカの気持ちが少しわかったような気がして楽しいです。ワナに掛かったシカとしてはたまったものではないでしょうが。


シカによって枯死しかけの苗木


植林地

上に植林地はネット柵によって防護されていますが、調査してみるとシカによる食害や枯死が見受けられました。
驚いたのは、植えた苗の約9割近くが被害を受けていたことです。
常習的にシカが侵入しているようです。

雨によって泥がネットに積っていたり、ネットの裾を抑えるペグが効いていない所があったのでそうしたところから侵入しているのかもしれません。
早急なメンテナンスが必要ですね。

ネットを張って御終いではなく、定期的に調査してメンテナンスをする。
シカ被害対策の大変さを改めて実感しました。


今回の研修で特にシカに対しての、被害把握から計画作成、対策の実地までを通して学べたことで、山に入った時の山の状態をみる目が全く違ったものになりました。
ここ、シカ通ったやろ!ここにワナ仕掛けたら捕獲できそう!…とか


今後は、対策も大切ですがその過程で捕獲したシカをどうするか、殺して埋めるのか何らかの形で活用するのか。
そこにまだまだ残っている課題も考えていきたいです。

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