未来のためにできること
前回の記事でも書いたが、4年契約社員として働いてきた会社で正社員登用されることが決まった。
今日はこれから登用前の社員が全国から集う研修に行く。
電車と新幹線を乗り継いで会場に行くため、田舎者の私はかなりワクワクドキドキしている。
電車が駅のホームに止まるたび、たくさんのスーツ姿の人たちが電車を乗り降りする。
みんなスマホを見たり、寝たり、窓の外をぼんやり眺めたりと思い思いに過ごしている。
この人たちはどんな気持ちで仕事に向かってるのかな?と思いを馳せてみるが、一心不乱にスマホを覗き込む顔は無表情であるため何も読み取れない。
きっとこの車両の中で一番ワクワクしている人間は私に違いない。
だって、今日は新幹線に乗れるし、都会で2泊できるのだ。(研修自体は全然楽しみでもなんでもない)そんなお祭り的な日だから、気分も上がり、口角も自然と上がる。
じゃあ正社員登用後、職場に向かう私はどんな顔をして電車に乗るのだろうか、と数カ月後の私に思いを馳せてみた。
毎日仕事が楽しくて、ニコニコしながら仕事に向かうそんな未来であってほしいと願う。
とはいえ、慣れない土地や知らない人、初めての業務に加え、イヤイヤ期・みてみて期・なになに期のスーパー三刀流息子の育児に疲弊し、毎日死んだ顔をしながら電車に揺られているのだろうなといともたやすく想像できてしまった。ちょっとげんなりした。
ガンバレ未来の私。
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数ヶ月後に不安はあるものの、これまでの私の頑張りに誇りを持っているので、ちょっとだけ披露させてほしい。
4年前、私は結婚で退職することを理由に新卒から勤めていた会社を辞めた。いわゆる寿退職である。
当時転勤族であった夫についていくためというのが理由だったが、転居を伴う結婚じゃなかったとしても本当に一刻も早く辞めたかった。
元勤め先について、周りからは「いいところにお勤めしてるのね」とか「安定してそうでいいね」と言われたものだが、ノルマがかなりきついわりに、給料が安い。
おまけにお局様との人間関係が最悪だったため(私の言動にも原因はちょっとある)、何が良くてそこで働いているのか分からなかった。
そんな職場を早く辞めたくて辞めたくて仕方がなかったが、その気持をグッと堪え、最大限利用させてもらった。
国家資格や、実務に活かせる資格をタダで受験し、資格取得報奨金も搾り取った。
実は現職で携わっている商品は、前職から取り扱っていた。
あまり的を得ない例えになるが、現職と前職の関係性を説明すると、現職=お菓子のメーカー、前職=そのお菓子を取り扱うスーパー…みたいな関係性だ。
実際は全く違う業種だ。
前の会社にいたとき、上司から急に「あやさんは資格もあるし、今日からこの業務やってね」と抜擢された。
研修に行かせてもらったり、さらに上位資格を取ったり、お客さんにセールスしたりと数年経験を積んだのだった。
その商品のこと自体が好きだったので、結構楽しかったように思う。
そんな毎日を過ごしていた、仕事からの帰り道。
その日なぜかは覚えてないが、普段通らない道を通ったら、偶然にも現職の支社の前に出てきたのだ。
「これが、自分が取り扱っている商品を作っている会社か〜」とぼんやり思った。
そして、「ここで働いてる人たちは、私みたいにノルマがあるのだろうか」とか、「仕事にやりがいあるのかな」とか、「給料…高いのかな」など、中で働く人たちのことをあれこれ想像した。
しばらく考えたが、「ま、私には関係ない話だよね〜」と思い、そのまま踵を返した。
それが4年後、契約社員を経て正社員に登用されることになるとは。
当時の私に「ねえ!アンタ、もうちょっとしたら結婚決まって退職するし、その後ここの契約社員になるし、4年後にはここの正社員になってるよ!」と教えたらかなり驚くだろうなと思った。
あの日想像した、中で働いてる人たちの一員になるなんて、本当に感慨深い。
ただこれは、偶然などではなく必然だ。
必死に勉強して資格を取ったから、お客さんにも頑張ってセールスしたから、お局様たちに陰口叩かれながらも自分の仕事を全うしたから。
そんな前職での経験が、全部ひっくるめて現職に活かされたんだと思うと、全ての経験に感謝したいと思った。
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未来のためにできること、「なんでもバッチこーいの精神で取り組むこと」だと考えている。
何かデカいことに取り組むのも素敵だが、地道にコツコツ目の前にあることに取り組むことにも未来を変える大きな力がある。
正社員に登用され浮かれている私だが、正社員に登用されることがゴールでないことは分かっている。
正社員になるがゆえに、今以上の知識とか判断力とか、様々な能力が求められることになる。
そして、社会人としてもワーママとしても私はまだまだ未熟だから、たくさんの荒波に揉まれるんだろうなと思う。
だが、これまでのことから、全ての経験が無駄にならないことを私は知った。
だから、とりあえず4年前の私みたいになんでもバッチこーいの精神でやっていたら、今から4年後にはまた想像もつかなかった未来にたどり着いているのだろう。
ガンバレ、私。
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