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入道雲

夏の、夕方の話。
人が中途半端に混んでいる電車で、親友と壁に寄りかかりながら立っていた。
夕日に照らされた大きな入道雲。たまに家々やビルが邪魔をして見えなくなってしまう。
私たちの目線から消えてしまう前に、「綺麗だね。」と言ってみた。
親友は「夏だね。」と答えた。
その言葉に、私はなんとなく今日の日付を確認する。8月23日。
もうそろそろ夏も終わりそうだ。これから涼しくなっていくのだろう。
私が一番苦手な6月。それを乗り越えられたから、今年は大丈夫かもしれない。
そう思った矢先、夏が過ぎると私が毎年気が狂ってしまう冬が来ることを思い出した。

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