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ぱぱになりたい

犬人間の大好きで大切で尊敬している人のおはなし。

母とは相性が悪く、唯一の兄弟とは約1年間会話をしていない為、家族と過ごすときは大体ぱぱといっしょ。
私はぱぱと過ごしている時間がとても楽しい。
ぱぱとのお話はとても面白いし、暗い話だって笑いに変えてしまう。いつも笑顔だけれど、間違ったことはちゃんと間違いだと教えてくれる。
「ファザコンだ」とよく言われるほど、ぱぱが大好きだ。

「ぱぱになりたい」
はじめてそう思ったのは小学生になりたての頃。「ぱぱはとっても頭がいいんだよ。」母にそう教えてもらった。その言葉が私のなにかを動かした。「ぱぱと同じ中学、高校、大学に入りたい!」それが私の最初の夢。
必死に勉強した。毎日、毎日、毎日。ぱぱになるために!
テストで100点をとった。成績が学年で1番だった。だけど、その想いは6年で挫折。不登校になり、結局ぱぱと同じ学歴を歩むことができなかった。

「ぱぱになりたい」という夢が叶わなくなったとき、どうすれば良いのか分からなくなった。自分が何になりたいのか分からなくなった。夢が消えてしまった。
泣きわめいた、自傷した、引きこもった。
「何者にもなれない自分なんて消えてしまえばいいのに。」

そんなとき、私を救ってくれたのもぱぱだった。公園に水族館、動物園、個展、博物館など、自分の休みの時間を割いて色んなところに無理にでも連れて行ってくれた。車の中で好きな音楽を教えてくれた。仕事のために買った小型バイクの後ろに乗せてくれた。そんなぱぱの優しさもあって、私のぼろぼろだったメンタルがいま少しずつ回復している。

少し話が逸れたが、今でも私は「ぱぱになりたい」と思っている。学歴とか、経歴とかそんなのとは別で。とっても面白くて、優しくて、私という人間を救ってくれたぱぱのような人になりたい。

そんな理想の人がこんなにも近くにいるなんて、私は幸せなのかもしれない。これからもたくさんへこんでたくさん挫けてたくさん泣くと思うけど、これだけは忘れないでおきたいな。

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