この店の大将が出す肴は、キリがない。
私は「小料理屋なみ」という店に行く前に、実は小料理屋という概念をあまり理解していなかった。結局は、昔ながらの落ち着いたの雰囲気を醸し出している居酒屋なのだろうかと。雑居ビルの一角にあり、暖簾の裏側には木造扉を構えいて、店の外には温かみのある白熱球の光が漏れているような。店内は中年男性が酒を片手に世間話や愚痴を行っているような情景が浮かんだ。もちろん、私一人やデートで行くようなところではないととも感じた。
もし彼が私を連れて大学時代にアルバイトしていた小料理屋に行こうと誘わなか