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北欧ミステリー 「刑事マルティン・ペック」シリーズ

ちょっと検索してみると、書こうとしている内容が前人の方々によって深く述べられていたりするので、ごく個人的な経験を書いてみようかと思います。

昨今の海外ミステリーファン(或いは翻訳ミステリーファン?)の間では人気の北欧ミステリーですが、私はかなり遅くまで背を向けていました。
何も思うところがあった訳ではなく、父が「ミレニアム」が面白いと聞きつけて、購入を頼まれて買ったものの、父がいつまで経っても読み終わらず、読む機会を失ったまま、という事情がありました。

3年ほど前に遅ればせながら特捜部Qを手に取り、読み始めたら止まらなくなりました。
とは言え、文庫化されていたものを読み終えてしまうと、そこで他の分野に行ってしまい、忘れかけていました。
「熊と踊れ」は読んでみたいし、「ミレニアム」もありますが、他にも読みたい本は沢山ありますからw

ただ、デンマークって小さな国というイメージしかなかったので、その中でも多種多様な地域や社会が存在していることには驚かされました。極端な話、警察が一斉捜索をしたら隠れていられる人間がいないんじゃないかと思っていたぐらいなので、認識を一変させられました。
それと馴染みのない北欧風の名前の洗礼もここで受けることになりました。

それとポリコレ。
北欧も中東からの移民が増えていますが、Qシリーズではそういう社会に触れながらも、特捜部Qが追う犯人からは最終的に対象外になります。

その後はしばらく時間が空きましたが、昨年に「犯罪心理捜査官セバスチャン」を読みました。これも面白かったのですが、主人公のクズっぷりがシリーズ2作目では目を覆うほどで、ちょっと積ん読になっています。
こちらはスウェーデンの小説です。

その後は、別に北欧ミステリーを読む気もなく、幼少期に話題になった「笑う警官」って、どんな小説だったのでしょう?という疑問から手に取ってみたら、これが意外にもスウェーデンの古典的ミステリー。

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レビューを見ると、シリーズの第一作から順番に読むのが良い、とアドヴァイスがあったので、我慢してシリーズ第一作「ロセアンナ」から「煙に消えた男」→「バルコニーの男」→「笑う警官」→「消えた消防車」と読み進めています。

1960年代の小説なので、書類は電子化されていないし、携帯電話もありません。そのせいで操作に膨大な手間がかかりますが、そういう描写も懐かしくて面白いです。

社会の変化も、現代の移民・異文化による多様化ではなく、世代間の文化的変化による軋轢というか、伝統社会の変容に潜み出す犯罪という部分に焦点が当てられています。
今では当然のように語られるサイコパスも、こんな昔なのに正確な認識で描かれていて驚きます。

でも、一番面白く感じるのは同僚同士の友情や反駁など、人間の本質的な部分でしょうか。個性的な捜査陣は魅力的です。

このシリーズは1960年代の十年で10作が書かれたのですが、当初の「全10作を新訳で」という触れ込みも虚しく、第5作「消えた消防車」で翻訳が終わっています。おそらくは期待ほど売れなかったためでしょうか。

こうなると、残りの5作品は英訳から翻訳されて、70年代に出版されたものを探すしかないのでしょうね。
残念・・・・・・・(>_<)


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